和のたしな美ぶろぐ
Aug 2, 2013

一服の清涼剤〜舞踊『鷺娘』

白鷺に魅せられて・・・歌舞伎舞踊『鷺娘』

 

ダイサギはシラサギ(白鷺)の仲間です。

この白い姿は葦原の風景の中で一際輝きを放っていて、人はこの姿に魅了されてしまいます。

写真 2011-06-26 13 00 07

かつて、江戸時代の浮世絵師鈴木春信が傘をさした白無垢姿の美人画を描きました。

そこから生まれたのが歌舞伎舞踊『鷺娘』です。

私も大好きな演目で、舞台で踊ったことがあります。

白鷺が人間の男性に恋をするのですが、それは悲しい結末となって終わります。

バレエ「瀕死の白鳥」のように、最後は地獄の責めにあい、息も絶え絶えに死んで

ゆくのです。



人間は、白鷺の美しさに憧れを抱いているがゆえに、

叶わぬ恋心をこんなストーリーに想いを込めたのでしょうか。

白鷺も人のそばにいて、ともに生きているのが好きだったのだろうと思うのです。

里山の風景って、人と水鳥が一緒にいる情景がとっても似合いますよね。

鷺娘1           一人しょんぼり佇む白鷺の化身(国立小劇場にて)
最後に苦しんで苦しんで死んでいく白鷺は、鳥の分際で人間に恋をしてしまった、

その罰を受けて地獄の苦しみを味わうというものなのですが、

本当は、彼らが大好きな人間が彼らが住むところを奪ってしまって、

人間と一緒に暮らせなくなってしまった悲しさを訴えているのだと思ったのです。

 

鷺娘2          地獄の責めにあう白鷺の化身(国立小劇場にて)

私たちはあなた方をこんなに愛しているのに、

どうして私たちを追い払い、命までも奪うのですか・・・

そんな叫びが聞こえてくるようでした。

私も、舞台の上で、最後の苦しみの中で、鷺が羽をバタバタさせながら、

もがき苦しみ息絶えていくところを演じました。

ものすごく体力も要るのですが、

鳥たちの苦しみや叫びが聞こえてくるように思ったのです。

どうして人に恋をしてはいけないの?

ねえ、いいでしょう?

鷺1

渡良瀬遊水地に行くと、晩夏から初秋にかけて約500羽を超える白鷺がやってきて、
ねぐらをつくって、壮観な光景を見せてくれるそうです。

水鳥や野鳥にとっては、魚や昆虫、植物など豊かな自然環境が必要です。
そこは、人間にとっても、鳥や自然と会話する素晴らしいオアシスです。

そう、人にとってのオアシスでもあるのです。

自然や鳥たちとの調和と共存。

私たちは彼らとともに生きていることを忘れないで生きていきたいですね。

飛び立つ白鳥の群れ 2

 

 

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Jul 5, 2013

「朝顔に つるべとられて もらい水」

朝顔市

「おそれ入谷の鬼子母神」で有名な東京入谷・真源寺で、

明日7月6日から8日まで、朝顔市が開かれます。

入谷朝顔市は下町の代表的な夏の風物詩です。

かつて入谷付近には朝顔の植木職人が多かったことから、明治時代に入谷の朝顔市が定着しました。

当時、入谷の通りは通行止めになるほどの人気だったそうです。

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江戸時代も朝顔がブームで、変わり咲きなどの多くの品種が誕生しました。

品評会も開かれ、その番付表も出回ったほど、お殿様から庶民まで大ブレイクしたそうです。

この時代に変化朝顔づくりの名人として活躍したのが、入谷の植木師・成田屋留次郎。

彼の活躍が後に入谷が朝顔の街として賑わう礎になったと言われています。

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浴衣と下駄S

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週末に入谷の朝顔市に出掛けてみようかと思います。

今日も「陽に生きる」で過ごしたいですね。
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朝顔水色

 

Feb 4, 2012

十二代目市川團十郎さんのこと

昨日は、十二代目市川團十郎さんの本葬の模様をテレビのニュースでやっていました。

ご覧になられましたか。

 

團十郎さんと言えば、市川家のお家芸、歌舞伎十八番の内『暫』がとても印象的でした。

『暫』の鎌倉権五郎は、荒事の主人公で、超人的な活躍をするスーパーマンです。

江戸元禄時代のおおらかさが舞台いっぱいに広がります。

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2012-08-21 15.47.24

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本舞台の上で悪人方が善人方をやっつけようとしているまさにその瞬間、

主人公の権五郎(ごんごろう)は花道から「しばらく、しばらく」と言って、正義の味方として馳せ参じるのです。

 
市川家の三升の紋が大きく入った座布団のような素袍(すおう)を着て、頭の格好といい、隈取りといい、

江戸時代のスーパーマンとはこういったものかと感心するような出で立ちです。

 

團十郎さんは、最後に「色即是空」の文字が入った言葉を残していたのをテレビで見ました。

空の境地になると、自我欲望、小さい肉体の自分が本当の自分ではないということ分かり、本源の自分である、仏性・仏さまが現れてくるのだと、お釈迦様が言っています。

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常に己の心を磨き、芸を磨き高め上げていた團十郎さん、

心から感謝申し上げたいと思います。
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羽子板勧進帳1

 

 

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