昨日は、十二代目市川團十郎さんの本葬の模様をテレビのニュースでやっていました。
ご覧になられましたか。
團十郎さんと言えば、市川家のお家芸、歌舞伎十八番の内『暫』がとても印象的でした。
『暫』の鎌倉権五郎は、荒事の主人公で、超人的な活躍をするスーパーマンです。
江戸元禄時代のおおらかさが舞台いっぱいに広がります。
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本舞台の上で悪人方が善人方をやっつけようとしているまさにその瞬間、
主人公の権五郎(ごんごろう)は花道から「しばらく、しばらく」と言って、正義の味方として馳せ参じるのです。
市川家の三升の紋が大きく入った座布団のような素袍(すおう)を着て、頭の格好といい、隈取りといい、
江戸時代のスーパーマンとはこういったものかと感心するような出で立ちです。
團十郎さんは、最後に「色即是空」の文字が入った言葉を残していたのをテレビで見ました。
空の境地になると、自我欲望、小さい肉体の自分が本当の自分ではないということ分かり、本源の自分である、仏性・仏さまが現れてくるのだと、お釈迦様が言っています。
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常に己の心を磨き、芸を磨き高め上げていた團十郎さん、