和暦の暮らし
Oct 3, 2017

【七十二候から】48 「水始めて涸る(みずはじめてかれる)」

【七十二候から】48

「水始めて涸る(みずはじめてかれる)」
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皆様、おはようございます。

田んぼから水を抜いて、稲刈りに取りかかる頃。

黄金色に実った稲穂を収穫する秋真っ最中です。

大雨が続き、日照時間が少なかった今年。

北海道でも野菜の収穫に打撃を受け、値段が高騰しましたね。

宮城の郷里でも、今年はお米が不作だと聞いています。

自然の力の前には何もする術もなく、ただ立ちすくむ人間。
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宮澤賢治が「アメニモマケズ」で表現しています。

ヒドリノトキハ ナミダヲナガシ

サムサノナツハ オロオロアルキ
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農家が不作によって日雇い労働をしなければならない状況を見た時、

冷夏で日照時間が短く植物が育たない時、

人はただただオロオロし、涙を流すだけです。

田の神様にひたすらお願いをして、何とか稲が実りますようにと、

ただただ祈るしかありません。

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秋の実りは格別です。

「黄金の国ジパング」は、秋の実り、田んぼの黄金色に輝くさまを言っているのだと思います。

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黄金の稲穂

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手間暇をかけて育てた稲をいよいよ収穫する時。

9月など、早い時期に収穫するものは「早稲(わせ)」

遅い時期に収穫するものは「晩稲(おくて)」

その中間に収穫するものは「中稲(なかて)」

収穫の喜びはひとしおです。

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どんなに人が田んぼに手をかけても、自然の力には及びません。

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稲の受粉は、これがまた神秘的です。

8月中旬ごろ、稲は白い花を咲かせます。

稲の花の開花は午前中のたった2時間ほどで、

しかも、受粉は10分から20分といわれています。

穂の先のほうから下に向けて順に5日間くらいかけて咲きます。

この短い受粉期間での受粉。

なんと神秘的でしょうか。

この最も大切なこの時期に、台風がやってきたり、海に近いところでは潮の被害があったりすると、稲は受粉できず、お米ができなくなります。

秋の収穫までを考えれば、本当に奇跡的なことなのですね。

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稲の花

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先人たちは、その年の豊作を田植えの時から祈り、丹精込めて水田を手入れし、お米を作ってきたのですね。

お米は八十八もの手をかけて育てるものといわれています。

いろんな行事やお祭りの中にその願いが込められています。

その心は今も変わらないですね。

新米を今年も感謝していただきましょう。

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おにぎりと味噌汁

 

Sep 28, 2017

【七十二候から】47 「蟄虫戸を坯す(すごもりのむしとをとざす)」

【七十二候から】47

「蟄虫戸を坯す(すごもりのむしとをとざす)」

皆様、おはようございます。

秋分の中候。

虫が隠れて戸をふさぐ頃。

あんなに暑かった夏から秋へ。

いつの間にか蝉の合唱から虫の合奏へと季節は移り変わりました。

虫の音、なんと耳に心地よいことでしょう。

都会暮らしをしていると、

「虫さん、ああ、よくこんな路地に来てくれたね。いい音色をありがとう。」と、

思わず心の中で虫たちに呼びかけてしまいます。
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暑さがぶり返し蒸し暑い日々が続いたと思っていたら、

気温が急に下がり、秋を肌で感じる頃になってきましたね。

そろそろ虫たちは越冬の準備を始める時期。

もうそんな季節ですか。

だれが教えたわけでもないのに、

自然界では、虫たちがあたたかい土の中で巣ごもりの支度を始めるのですね。

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この虫の音を聴くことができるのも、あともう少しなのですね。

秋の夜長の虫の音、いいものです。

チンチロ、チンチロ、チンチロリン。

リンリンリンリン、リーンリン。

キリキリ、キリキリ。

チョン、チョン、チョン、スイッチョン。

松虫、鈴虫、コオロギにウマオイ。

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日本人は、西洋人と違って、虫の音も音として聞き分けることができます。

それは、西洋人は虫の音を雑音として右脳でとらえるのに対して、

日本人は、虫の声を言語と同様に左脳でキャッチしているからです。

日本人が大自然との調和の中で、人間も自然の一部なのだと捉える生き方は、

この左脳の働きも大きく作用しているのですね。

神は、日本人をそのようにおつくりになったのです。

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今のうちに、しばし、秋の夜長、虫の音を味わってまいりましょう。

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Sep 12, 2017

【七十二候から】44 「鶺鴒鳴く(せきれい なく)」

【七十二候から】44

「鶺鴒鳴く(せきれいなく)」

皆様、おはようございます。

「白露」の次候。

鶺鴒(せきれい)が鳴き始める頃です。

身近に見かける可愛らしい小鳥。

でも、すばしっこくて、すぐ逃げてしまいますね。

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尾の長い小鳥、白鶺鴒(はくせきれい)が歩く時、

長くスマートな尾を上下に振りながら地面を叩くようにする仕草を

「石叩き」「岩叩き」「庭叩き」と呼んでいます。

『古今集』では、鶺鴒を「稲負鳥(いなおせどり)」と詠まれているといいます。

これは鶺鴒が鳴く頃に、人が稲を背負って家の中に入るからとか。

稲刈りの時期でもあったのですね。

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『日本書紀』にも登場する鶺鴒です。

なんと、伊邪那岐命(いざなぎのみこと)と伊邪那美命(いざなみのみこと)が結婚したものの,

どうして子を持つか分からずにいたところ、

尾を振る様子からその仕方を教えたのが鶺鴒だったというのです。

そのおかげで、二神は日本国の国生みを遂げることができたということです。

「恋教え鳥」「嫁教え鳥」という異名もあるようです。

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こうしたお話から、鶺鴒は皇室の結婚の儀にも縁が深いとか。

チチィ、チチィと鳴くこの小鳥、日本の国生みでも活躍し、

古の昔より愛されてきたのですね。

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Sep 7, 2017

【七十二候から】43 「草露白し」

【七十二候から】43

「草露白し(くさつゆしろし)」

皆様、おはようございます。

今日は二十四節気のうちの「白露」。

白露は、大気が冷えてきて露を結ぶ頃です。

ようやく残暑が引いていき、本格的な秋の訪れですね。

道草に降りた露が白く光って見えます。

忙しい日常の中で、そのような草を愛でるゆとりがほしいものです。

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今では忘れがちな「重陽の節句」。

「菊の節句」ともいわれます。

9月9日は「9」が重なるところから、「重陽」としてお祝いしました。

どうも現代の暦では、ピンとこないのが菊の節句。

旧暦の9月9日は、今年は、新暦で10月28日になります。

なるほど、此の頃なら、菊も咲いていますね。

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菊が咲くこの時期、菊の香りを楽しむのもいいですね。

菊は、仙境に咲く花と考えられました。

平安時代、宮中では「菊酒」を酌み交わす行事が行われたそうです。

「菊酒」を飲んで、邪気を払い、長寿を願ったのですね。
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重陽の節句の前日に、こんなこともしました。

「菊被綿(きくのきせわた)」です。

この重陽の節句の前日に、菊に綿をかぶせて香りを移し、

翌朝、露に湿った綿で顔や身体を拭いて、邪気を払いました。

枕草子や源氏物語にも「菊水」などの言葉が出ています。

優雅ですね。

菊はそんなに香り立つものだったかなあ・・と思いますね。

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いろいろなところで菊の品評会や菊人形展が開催されます。

長崎では、9月9日を「お九日(くんち)」として、

旧暦の日に収穫祭と習合して「長崎くんち」でお祝いするそうです。

季節を肌で感じる様々な行事。
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自然現象から実際の体験を通して知る「暗黙知(あんもくち)」。

江戸の人が子どもの教育にも大切にしたことです。

今こそ子どもたちに体験してほしいですね。

 

Sep 2, 2017

黄金の国ジパングと虫の声

皆様、おはようございます。

「夜をこめて  麦つく音や  きりぎりす」  (正岡子規)

宮城の郷里へ訪れる度に、新幹線から緑一面の水田が見えてくると、

故郷に帰ってきたなあという実感が湧いてきたものでした。

 

大分稲穂が実ってこうべを垂れ、少しずつ黄金色に変わりつつありますね。

「黄金の国ジパング」「瑞穂の国ジパング」

 

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この風景をながめていると、安らかな思いに浸れます。今年も豊作になるといいなあ。

夜は虫の合奏が聴こえてきます。

平安時代、鳴く虫を籠に入れて声を楽しむ風流が貴族たちの間で流行したそうです。

江戸時代になると、「虫売り」が登場しました。

長唄の『都(みやこ)風流』にも、「虫売り」が登場してくるのですよ。

売られていたのは、蛍、こおろぎ、鈴虫、蝉など。
虫籠も、扇形や船形など凝った作りの物が出回りました。

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また、虫が鳴くなかで俳句を作ったり、酒を酌み交わしたりする「虫聴き」も流行したそうです。

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日本人は音楽や言葉を聞く左脳で虫の声も聴くそうです。

だから、「ああ、いいなあ〜。風流だなあ〜。」と聴けるのですね。
ところが、虫の音を右脳で聞く西洋人には、雑音にしか聞こえないということです。

日本人の感性って、素敵ですね。

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少しずつ朝夕しのぎやすくなってきました。

今日も心豊かな一日をお過ごしくださいませ。

 


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お知らせ
9月27日(水)午後1:00〜3:30
来年のお正月のおもてなし
吊るし雛にもなるお飾りを作ります。
お待ちしております。

楽・技「リメイク講座」

 

 

 

Sep 2, 2017

【七十二候から】42 「禾乃登る(こくものみのる)」

【七十二候から】42

禾乃登る(こくものみのる)」

皆様、おはようございます。

処暑の末候、禾乃登る(こくものみのる)」頃です。

田んぼの稲穂が黄金色に色づき始めました。

収穫時期が待ち遠しいですね。

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「禾(のぎ)」とは、稲などの穂先の毛のことですが、

稲や麦、稗、粟などの穀物のことを総称して、そう呼びます。

稲は、「稲禾(とうか)」「禾稲(かとう)ともいいます。

稲は、縄文時代に日本に伝わったといわれています。

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「禾」穂先の毛  ウィキペディアより

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一方で、台風の襲来や強風も心配な時期です。

今年は雨の被害が多くて農作物への影響がとっても心配されます。

そのために、農業が無事に進むようにと祈るお祭りも行われます。

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富山県八尾(やつお)の「おわら風の盆」もその一つです。

八尾は立山連峰を越えて日本海から強い風が吹き込む土地です。

この風が稲作に深刻な被害をもたらしてきました。

風の神様に十分に稲が実りますように、風害に見舞われないようにと、

お祈りするお祭りです。
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「風の盆」は、

風を鎮める「風祭り」「盆踊り」が一つになって変化した風習と考えられています。

三味線と太鼓、胡弓の独特な調べにのって無言で踊る風の盆。

地元の皆さんの見せどころです。

町ごとに総出で揃いの浴衣で、唄に演奏に踊りと、圧巻ですね。

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胡弓の音色がもの悲しく、何とも言えない哀愁を誘います。

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編み笠を深くかぶり、無言で踊る姿には、優美な色気が漂いますね。

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その哀愁漂う光景から小説やヒット曲『風の盆恋歌』などが生まれたのですね。

  「蚊帳の中から 花を見る

   咲いてはかない 酔芙容」

       石川さゆり『風の盆恋歌』

一度は是非見に行きたいこの「おわら風の盆」。

前夜祭と9月1日から3日までの3日間、

夜を徹しての、夢のような、日本の素晴らしいお祭りです。

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写真:おわら風の盆 田中進さん提供

 

Aug 28, 2017

【七十二候から】41 「天地始めて粛し(てんち はじめてさむし)」

【七十二候から】41

「天地始めて粛し(てんち はじめてさむし)」

皆様、おはようございます。

今日は昨日とはうって変わって、爽やかな秋めいてた風を感じます。

この時期は、夏の気が落ち着いて、万物があらたまるとされています。

ちょうど台風もやってくる頃です。

前回も書きましたように、立春から数えて210日目が「二百十日」と呼ばれ、

台風がやってくる日とされていますよね。

今年は続けざまに何回も台風がやってきています。

関東以北も直撃の風雨によって交通網に影響が出ています。

外出も控えなければなりません。

また台風がやってくるという予報です。

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野分ススキ

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古い時代には、台風のことを「野分(のわき・のわけ)」と呼んでいました。

野の草を分けて吹き通る風のことをいいます。

野原を吹き渡る涼やかな風は「野風(のかぜ)」「野間風(のまかぜ)」といいます。

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吹きまよふ 野風をさむみ

秋はぎの うつりゆくか 人の心の

  常康親王『古今和歌集』

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季節は秋へと移り変わり、人の心の移り変わりを「野風」になぞらえているのですね。

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岩と蔦

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「野風」とは別に、「野分」について、

台風の吹き荒れる様が「源氏物語」や「枕草子」にも記されています。

「野分」というと、なんとも柔らかな表現ですが、

台風の恐ろしさ、台風一過の状況は今も平安の時代も変わりがなかったようです。

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オミナエシ

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野分 例の年よりもおどろおどろしく

空の色変りて吹き出づ

 紫式部『源氏物語』第二八帖

(花の色の美しさを愛でていると、そこに野分が、いつもの年よりも激しく、空も変わって風が吹き出しました。)

台風がくる様を「おどろおどろしく」というふうに表現しているのですね。

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野分のまたの日こそ

いみじう あわれに をかしけれ

   清少納言『枕草子』第二〇〇段

(野分の吹き荒れた翌日は、大変にしみじみと胸にくるものがあります。)

これは台風が過ぎた後の様子を述べています。

台風一過、大きな木も倒れ、枝も折られ、萩や女郎花も横に倒れてしまって、その思いがけない様子に痛々しいと、述べています。

昨夜は台風のために夜もろくろく眠れなかったであろう、うら若き女性のことがその後書き綴られていきます・・。

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萩

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昨今は、テレビニュースの「台風情報」で、

大きな被害の恐ろしさだけが強調されているようにも見受けれらます。

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王朝文学から、

秋への季節の移り変わりの、何かもののあわれを

感じてみてはいかがでしょうか。

 

Aug 23, 2017

【七十二候から】40 「綿綿柎開く(わたのはなしべひらく)」

【七十二候から】40

「綿綿柎開く(わたのはなしべひらく)」

皆様、おはようございます。

今日は暑さが止むという「処暑(しょしょ)」。

もうそろそろ「二百十日」という立春から210日目がやってきます。

雷が襲来する頃とされていますが、ご存知でしたか。

昨日、再び関東以北が台風に見舞われました。

昨今の台風はゲリラ型と呼ばれる激しい台風です。

ご無事でお過ごしになりましたでしょうか。

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この処暑の初めの頃、綿(わた)の花のがく(柎・はなしべ)が開き始めるのだそうです。

そして、綿の種を包む綿毛をほぐして、綿の糸を紡ぐのです。

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写真:綿の実(蒴果・さくか)

綿の実

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綿は日本の生活に欠かせないものでした。

座布団も布団も、夜具としての綿入れも。

どてら(厚く綿の入った丹前)(仙台弁で「どんぶく」)も、冬の生活には欠かせないものでした。

いつの間にか化学繊維や羽毛などに取って代わられてきましたね。

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写真:はぜた綿の実

はぜた綿の実

 

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木綿の感触は汗ばむ季節にはもってこいです。

最近とみに若者の間で夏の木綿の浴衣が人気ですね。

もっと涼感やシャリ感を味わいたければ、綿絽や綿麻が好まれます。

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浴衣の反物展示

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さて、日本では、

木綿は、799年に三河国にインド人によって綿の栽培がもたらされたということですが、

その後は明や朝鮮からの高価な輸入品となりました。

江戸時代中期頃に国内で綿の栽培が盛んに行われるようになったようです。

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浴衣の展示

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栽培には温暖な土地が好まれ、肥沃な土地でなければならず、栽培にはお金のかかるものだったのです。

ですから、江戸庶民にはなかなか手が出るものではありませんでした。

木綿の着物を古着屋でなんとか手に入れたら、大事に大事に着たのでしょう。

新品の着物なら、車一台分の値段だったとか。

冬はその中に綿を入れて温かくし、夏場は単衣に仕立て直し、繕いをしながら着て、

ボロボロになったら、自分で雑巾やオムツにして最後まで使いきりました。

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「端切れ屋」「古裂れ屋」がやってきて買い取り、切り刻んで端切れにしてまた市場で売られたり、

「灰屋」がやってきて買い取り、燃やして灰にして、田畑の肥料や洗濯、藍染に使うためにまた売られていったり、

木綿が見事に最後まで使い切られていました。

その木綿一枚の着物が綺麗に大地に戻っていくという、大地を豊かにしていくという。

そんな循環型エコシステムを知らぬ間に作り上げていたのです。

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写真:綿の花(ウィキペディアより)
綿の花

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まだまだ大量生産、大量消費の時代の循環ビジネスが構築されている現代・・・。

そう言えば、

私の祖母なども洗い張りも上手、

母も着物仕立てが得意でした。

私たちも、お裁縫ももう一度見直さなくちゃいけませんね。

手元にある着物や帯でのリメイク講座、始めています。

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原田康子さんの帯リメイク

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写真:「綿の実」2枚

賑町笑劇場

http://jhnet.sakura.ne.jp/meotomanzai/

 

Nov 1, 2016

【七十二候から】53 「霎時施す(しぐれときどきほどこす)」

【七十二候から】53

霎時施す(しぐれときどきほどこす)」

皆様、おはようございます。

11月になりましたね。

さあっと雨が降ってはすぐ晴れる、そんな頃です。

「初時雨」
まさに、今がその時期ですね。

朝だけ降る「朝時雨」、

夕方降る「夕時雨」、

横なぐりに降る「横時雨」、

夜に降る「小夜時雨」。

天候が変わって時雨が降ることを「時雨れる(しぐれる)」といいます。

同じ雨でも「時雨」という言葉を使うと、何か優しい響きになります。

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西行のことを描いた『時雨西行』という長唄があります。

原曲は能『江口』です。

時雨降る季節、雨に濡れながら行脚している旅の僧西行は、

決してこの時雨の日の出来事は忘れまい、書き写しておこうと、最後に語ります。

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西行は、平安後期歌人・僧です。

出家前は武士(佐藤義清・憲清とも)で、鳥羽上皇の下で北面の武士として仕えていましたが、

その後出家し、諸国行脚し歌を詠みました。

自作の「ねがはくば 花の下にて春死なむ そのきらさぎの望月のころ」

という和歌のとおり、

文治六年(1190)の2月、73歳で入滅したと伝えられています。

『新古今和歌集』に94首、勅撰集の合計で266首が入集する当代第一等の歌人だともいわれています。

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さて、『時雨西行』に戻りましょう。

西行は、和歌を詠み、悟りの境地を得るために諸国を廻国修行して歩いていました。

時雨にあい、江口(大阪・大阪市東淀川)の里を訪れ遊女に一夜の宿を請うところから物語は始まります。

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遊女から一旦は断られてしまいますが、その後西行と遊女とは和歌を詠み交わします。
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「一夜の仮の宿」と「俗世」を掛け合わせて、

この世に執着してはいけないということを遊女は和歌で詠み返します。

西行は静かに目を閉じ心を静めます。

すると、典雅の調べが響き、六牙の象に乗ったまばゆい光を放つ普賢菩薩の姿が見えたのです。

目を開けば、目の前の遊女が語る言葉はこうであったのです。

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「迷いを離れた清浄な境界の大海に、煩悩の風は吹きません。

機縁が生ずれば必ずや悟りの波は立つものです。

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人は執着する心を捨てれば つらい世も恋もなくなりましょう。

人を慕ったり、人を待つことはやめましょう。

恋する気持ちや愛する気持ちを抱いて人を待てば、別れの嵐が吹き荒れます。

花が咲くさま、紅葉していくさま、満ち欠けてゆく月も、さまざまに降る雪も、

すべてはとどまることをせず変わってゆくものです。

過去のことに心を留めておいても何にもならないのです。


執着する心を捨てなさい。」と。


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なんと尊いことであろうか。なんともったいないことであろうか。

目を開けば遊女の姿。しかし、その遊女は、実は普賢菩薩の化身だったのです。

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舞踊では、この遊女江口を初めは遊女として表現し、後にその姿で普賢菩薩になるという変身を演じるところが大変難しい役どころです。

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この普賢菩薩を感得した西行は悟りを得ることができたというストーリー展開になっています。

この時雨の日、西行は人生の大きな転機を迎えたのですね。

一度、是非この舞踊もご覧になってみてはいかがでしょうか。

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西行(菊池容斎画・江戸時代)(ウィキペディアより)

 

Oct 26, 2016

【七十二候から】52 「霜始めて降る」

【七十二候から】52

「霜始めて降る(しもはじめてふる)」

皆様、おはようございます。

「霜降」の初候。

霜降は、朝夕にぐっと冷え込み、霜が降りる頃のことです。
山々が少しずつ葉色が秋色の変わり、落葉し始めています。

富士山に初冠雪が見られましたね。
北海道でも初雪のお知らせが舞い込んできました。

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うっすらと大地の上に、

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白い雪にうっすらと覆われた赤い薔薇の蕾、

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郷里の宮城では、10月15日が八幡様の秋祭りです。

稲作の神様を春にお迎えし、秋の実りに感謝と報恩の意を込めて、

山に帰っていかれる神様にお祭りを捧げるのが秋祭りですね。

昨今ではこのお祭りも取りやめになったということを聞き、とても寂しい思いがしています。
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毎年この15日にコタツの用意をしたものです。

本格的な寒さの到来で、

こたつやストーブがもう手離せない時期になるのです。

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隙間風の多い古い木造家屋ではこれからの寒さ対策にはなかなか厳しいものがあります。

霜が降りるときには、農作物の生育には特に注意して見ておきたいものですね。

「そぞろ寒」と呼ばれる、じいんと寒さが肌にも体にも感じる時節ですので、

外出時には、スカーフやマフラーなどを持って、上着など暖かくなるものを着て行きましょう。

どうぞお気をつけてお過ごしください。

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