和のたしな美ぶろぐ
Oct 18, 2018

古文書を楽しむ会

<江戸座学>

古文書を楽しむ会

 

変体仮名の看板などが読めるようになって、さらに江戸の文化を深く楽しむことができます。

 

『古文書を楽しむ会』(毎月1回定例・毎月第3土曜日)

昔の崩し字はなんと書いてあるのか分からない、
これが少しでも読めるようになれば、もっと興味を持って深く歴史を読み解けるのに・・。
そんな経験はありませんか。

モーツァルトのオペラだって、あんなに高尚に聴こえるのに、実はたわいのない会話だったり、そんなことをよく耳にします。

古文書、例えば「旅日記」を読むと、九州の武士が江戸までの旅で経験したごくごく普通の日常のことを書き綴っていたりして、
文章が読めると、その人物に親近感を持つこともできます。

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『第10回目 古文書を楽しむ会』

日時:平成30年10月20日(土)10:0012:00
            (和菓子・お抹茶つき)

内容:
「古文書は・・」という難しいことは抜きにしたいと思います。
今でも看板にあるような変体仮名や日本の書体の変遷なども軽く面白くご紹介し、江戸時代の子どもたちが習う字はどのようなものだったかなども説明します。
一行ずつ読んでいきながら、何度も出てくる字を発見すると、面白みも増してきます。
先生から、現代訳も渡していただくので、ご自分で復習にもなります。

第10回目では、

『衣食訓』の読み下し

江戸庶民の旅日記の読み下し

前回の『北国道中記』(庶民の旅日記)パート3
   宿坊に着いた前後の日記とそこで出された食事の内容

お時間のある方はお気軽にご参加ください。

お待ちしております。

講師:野口明氏

受講費:2,000

ランチは有志で近くの小料理屋を予定しています。(別途 お一人1,000円前後)

 

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講師紹介

野口明氏

昭和24年生まれ。本業は40年以上のベテラン電気工。
子供の頃から時代劇が好きで、よく東映の映画館に通い続ける。
平成20年放送大学教養学部卒。平成24年放送大学院卒。両卒業論文のテーマは日本の近世史。
江戸時代の貨幣、暦、時刻などに興味を抱くようになり、崩し字に出会うと何と書いてあるのか、卒論に取り組む頃から本格的に古文書の勉強を始める。
現在放送大学教養学部に在籍し、サークル活動「古文書を読む会」の副会長を務める。
生涯学習2級インストラクター取得。
NHK
通信講座古文書を読む解説実践コースで研鑽中。
ボランティア活動として、佐倉の国立歴史民俗博物館の「第3室 近世の寺子屋」で古文書体験コーナーで活躍中。
同じく佐倉文化財ボランティアガイドとして、武家屋敷、旧堀田邸、順手堂記念館で活躍中。

☆ご参加お待ちしております。

 

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そのほか、こんなこともやっています。

寄席・歌舞伎・東をどり鑑賞、舟遊び、江戸散策などを通して、江戸文化も楽しんでいます。

新橋芸者の会

新橋芸者の会

 

江戸歌舞伎

江戸歌舞伎

 

舟遊び

舟遊び

 

<舟遊び>

江戸人の目線で桜を愛でる『桜咲く 風流舟遊び』

桜の季節。
川面から眺めるお花見は格別なものがあります。
こんな楽しみ方も江戸流。

4月1日(日)午後8:35〜9:50(満員御礼)実施
4月5日(木)午後1:00〜2:30(満員御礼)実施


江戸人の目線で『
中秋の名月を楽しむ舟遊び』

9月24日(月) 午後6:00〜8:30(満員御礼)実施

名月をひやおろしの日本酒、茶巾寿司、和菓子で味わう格別のお月見。
乙なものです。

 

江戸座学、風流舟遊び・・満開の桜・夜桜見物、風流な十五夜・十六夜、江戸情緒あふれる神田巡り、佃住吉神社大祭での八角神輿船渡御見学、

江戸から続く文化・東をどり鑑賞、歌舞伎鑑賞、寄席などを楽しみます。

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桜舟


神田巡り


歌舞伎鑑賞


寄席

佃住吉神社大祭での八角神輿船渡御見学

新橋芸者の踊り

 

 

 

 

 

 

 

Feb 10, 2018

江戸の水運を語る会

皆様、おはようございます。

香り立つ梅の花が咲き始めましたね。

みぞれが降る東京。その翌朝にはまた一輪、一輪と花を咲かせるかぐわしい梅の花。

その美しさと強さに、心打たれます。

心震わせる、ちょっとしょぼくれた心を奮い立たせてくれる、
梅の花は素晴らしい力を与えてくれますね。

桜の開花も、例年どおり今年もやってくると、予報されています。

毎年恒例の舟で楽しむお花見も今回で何度目でしょうか。

すべてはお天気次第、気候次第。

今年も桜の満開の微笑みを天に任せて、昨年下旬に舟の予約をしました。

今まで撮った写真など、ご参加の方々の写真なども交えて動画に仕立てました。

どうぞご覧ください。

お花見舟「桜咲く 風流舟遊び」

さて、それに先駆けまして、

江戸の水運交通を語る会と題しまして、

いつもお世話になっております舟遊びみづはの佐藤美穂さんをお迎えしての会を

二回開催いたします。

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江戸人の目線で江戸の水運交通を語る会

平成30年2月12日(月・祝)午後2時〜4時
「大和楽『河』と江戸一番の繁華街両国の舟遊び』
スライドショーや踊りをご覧いただきます。

出演:佐藤美穂氏、宮本季依

参加費:2,000円

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平成30年3月17日(土)午後5時半〜8時
「江戸・東京と市川・行徳の水運について」
川は塩の道。江戸への物資の輸送についてのあれこれをお話します。

出演:佐藤美穂氏、田中祥一氏

参加費:3,000円(軽食付き)

ご参加をお待ちしております。


 

Oct 26, 2017

【七十二候から】52 「霜始めて降る」

【七十二候から】52

「霜始めて降る(しもはじめてふる)」

皆様、おはようございます。

「霜降」の初候。

霜降は、朝夕にぐっと冷え込み、霜が降りる頃のことです。
山々が少しずつ葉色が秋色の変わり、落葉し始めています。

富士山に初冠雪が見られましたね。
北海道でも初雪のお知らせが舞い込んできました。

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うっすら雪の富士山

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うっすらと大地の上に、

うっすらと霜の大地

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白い雪にうっすらと覆われた赤い薔薇の蕾、

うっすら霜の赤いバラ

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郷里の宮城では、10月15日が八幡様の秋祭りです。

稲作の神様を春にお迎えし、秋の実りに感謝と報恩の意を込めて、

山に帰っていかれる神様にお祭りを捧げるのが秋祭りですね。

昨今ではこのお祭りも取りやめになったということを聞き、とても寂しい思いがしています。
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毎年この15日にコタツの用意をしたものです。

本格的な寒さの到来で、

こたつやストーブがもう手離せない時期になるのです。

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こたつ布団と猫

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隙間風の多い古い木造家屋ではこれからの寒さ対策にはなかなか厳しいものがあります。

霜が降りるときには、農作物の生育には特に注意して見ておきたいものですね。

「そぞろ寒」と呼ばれる、じいんと寒さが肌にも体にも感じる時節ですので、

外出時には、スカーフやマフラーなどを持って、上着など暖かくなるものを着て行きましょう。

どうぞお気をつけてお過ごしください。

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赤いマフラーとコーヒー

 

Oct 19, 2017

【七十二候から】51 「蟋蟀戸にあり(きりぎりすとにあり)」

【七十二候から】51

蟋蟀戸にあり(きりぎりすとにあり)」

皆様、おはようございます。

きりぎりすが戸口で鳴く頃です。

蟋蟀」はきりぎりすか、こおろぎか、諸説あるようです。

日本人ならお馴染みの「虫の声」という唱歌がありますね。

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あれ松虫が 鳴いている

ちんちろ ちんちろ ちんちろりん

あれ鈴虫も 鳴き出した

りんりんりんりん りいんりん

秋の夜長を 鳴き通す

ああおもしろい 虫のこえ

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きりきりきりきり こおろぎや(きりぎりす)

がちゃがちゃ がちゃがちゃ くつわ虫

あとから馬おい おいついて

ちょんちょんちょんちょん すいっちょん

秋の夜長を 鳴き通す

ああおもしろい 虫のこえ

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「虫の声」歌詞

「尋常小学読本唱歌『虫のこえ』」ウィキペディアより

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実は、

「きりきりきりきり きりぎりす」から

「きりきりきりきり こおろぎや」に改められた経緯があります。

1932年の「新訂尋常小学校唱歌」にて、「きりぎりす」はこおろぎの古語であったというのです。

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きりぎりす夜寒になるを告げがほに 枕の下にきつつ鳴くなり (西行)

 

この西行の和歌が詠まれた平安時代には、

「きりぎりす」は「こおろぎ」のことを指していたといいます。

このこおろぎは、「つづれさせこおろぎ」のことで、

こおろぎの鳴き声は万葉集にも歌われていたようです。

平安時代には、蟋蟀」は「つづれさせこおろぎ」のことでした。

リーリーリーと、衣の綴れを刺せという音を聴いて、平安歌人は歌を詠みました。

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また、蟋蟀」はきりぎりすを指し、別名を「機織り虫」とも呼ばれます。

鳴き声が「ギーッチョン、ギーッチョン」と、機織りのように聞こえるからだとか。

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夕日とススキ

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ところで、七十二候の「蟋蟀戸にあり」のルーツは、中国最古の詩篇『詩経』(紀元前11~6世紀)といわれています。

農民の暮らしは「七月に野に在り、八月は軒下に在り、九月は戸に在り、十月は我が床の下に入る」と、詩に詠まれているのだとか。

有名な杜甫や白居易が、蟋蟀は秋になると暖を求めて家や寝床に近づくことを漢詩に詠みました。

それが日本にも影響を及ぼしました。

虫の音は晩秋の寒さの中で弱々しく鳴くからこそ味わいがあるものだと。

盛りを過ぎて、終わりゆくものへの哀れを感じる侘び寂びの思いが日本人にはぴたりと合ったのでしょうね。

名残りを楽しむという日本人の感性は、虫の音だけではなく、

食でも着物でも茶道でも、いろいろな美の世界で取り入れられていますね。
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ススキと月

 

Oct 13, 2017

【七十二候から】50 「菊花開く」

【七十二候から】50

「菊花開く(きっかひらく)」

皆様、おはようございます。

菊の花は、昔大変珍重されたと言います。

仙境に咲くという菊の花。

菊の花は邪気を払い、長寿を全うすることができると信じられていました。

旧暦九月九日の重陽の節句には、

平安時代の宮中行事として、

菊の花びらを浮かべたお酒を酌み交わしました。

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女性から男性へこんな贈り物もされたのですよ。

菊の花びらを乾燥させ詰め物にし、菊枕を作って贈られたのです。

菊の香りが漂い、恋する人が夢に現れると信じられていましたから、

恋する人に夢の中に自分が登場するようにと、願いを込めたのでしょう。

バレンタインのチョコレート以上にロマンチックですね。

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黄色い菊・露

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菊の花が咲く頃は空が晴れわたります。

この青空を「菊晴れ」といいます。

菊は仙人の住むところに咲く花。

そんな菊の咲く大地は心身ともに健やかにしてくれそうです。

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団子坂の菊人形

東京本郷の団子坂の菊人形(ウイキペディアより)
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「菊人形展」

明治末までは東京本郷の団子坂が有名だったようです。

森鴎外『青年』にも描かれています。

現在有名なのは、

二本松の菊人形(福島県二本松市)

たけふ菊人形(福井県越前市)

ひらかた大菊人形(大阪府枚方市)

南陽の菊まつり(山形県南陽市)

などです。

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「観菊会」

天皇主催の菊花鑑賞会。

新宿御苑で行われます。(11月1日~15日)

菊花鑑賞は11月ですね。

待ち遠しいです。

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枚方菊人形

枚方大菊人形義経第九場面静の舞(ウィキペディアより)

 

Oct 8, 2017

【七十二候から】49 「鴻雁来る(がんきたる)」

【七十二候から】49

鴻雁来る(がんきたる)」

皆様、おはようございます。

寒露の初候。

「寒露」は、露が冷たく感じられてくる頃のこと。

空気が澄み、夜空に冴え冴えと月が 明るむ季節です。

雁が北方で繁殖し、日本に子育てにやってくる頃です。

雁(がん、かり)は、10月初め頃に渡来し、翌春の3月頃、また北地へと帰っていきます。

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雁の群れ

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そう言えば、子どもの頃、

雁の群れがVの字をなして、空を飛んでいく姿をよく見かけたものです。

鳴き声も、カリカリ、とか、キャクキャクと、表現されますね。

甲高い声が澄んだ秋空に響き渡ります。

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国定忠治の『赤城山』。

「 赤城の山も今夜限り、生まれ故郷の国定の村や、

縄張りを捨て、国を捨て、

可愛い子分のてめえ達とも 別れ別れになるかどでだ。 」

と、親分忠治。

そして、子分巌鉄が、

「 ああ、雁が鳴いて 南の空へ飛んで往かあ! 」と、

親分と別れる寂しさを訴えます。

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ちょうど雁が日本に渡来している時期のお話なのでしょうね。

寂しさが身にしみてきます。

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お月様

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もう一つ、雁と言えば思い出すのが、

森鴎外の『雁』です。

もうだいぶ前に読んだのでストーリーは忘れましたが、

高利貸しの男の妾になったうら若きお玉の思いの健気さと哀しさを思い出します。

お玉が慕うのは医学生岡田。

無縁坂で岡田を待つお玉。

ところが、不忍池から雁を持って下宿に帰る岡田とお玉は、ただすれ違うだけ。

岡田が明日ドイツへ留学することを知らないお玉は、

きっとその後もずっと岡田を無縁坂で待ち続けたのでしょう。
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「無縁坂」というのは、二人はもう会えないことの象徴でしょうか。

「雁」も北国へ帰っていくことから、岡田が旅立つことの象徴でしょうか。

何ともやるせない気持ちになります。

恋とは、淡く切ないものなのですね。

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空と雲

 

Oct 5, 2017

七福神に出逢う和のお茶会〜第二弾

【波動を高め豊かさを呼ぶ和のお茶会〜七福神に出逢うとき〜第二弾!】

昨日10月4日、星夜さんが代表を務めます「未来創造塾心の寺子屋」と「和のたしな美塾」とのコラボ企画の第二弾を開催いたしました。

「七福神」というのをご存知ですか。

「七福神」というのは、日本、中国、インドの神々七人(恵比寿、大黒天、布袋、寿老人、福禄寿、弁財天、毘沙門天)のことです。

この中で日本の神様は恵比寿さまお一人です。

 

星夜さん


『JKと7人の神様』

作家、女優でもあります星夜さんのご著書『JKと7人の神様』に基づき、高校生の女の子を救うべく現れた七福神の神々のご指導のもと、宇宙の法則を学びながら、この女の子は大きく成長していくのです。

星夜さんのほうからは、このご本から抜粋してブックトークをしていただきました。

星夜さんブックトーク

 

長唄『七福神』

私のほうでは、長唄『七福神』から、この唄の歌詞を読み、意味を考え、どんな振り付けがなされているのか、どんなことを表現しているのか、そして舞を見ていただくという趣向で進めました。

星夜さんからのご説明です。

国が違い、宗教が異なる七人の神様が地球号という船に乗り込み、仲良く楽しく行こうじゃないかという、まさに今の時代にふさわしいラッキーセブンの神々が平和への道案内をするのです。

 

 

豊かさとは

豊かさとは何かを考えさせられますね。

長唄『七福神』は日舞の師範の寒稽古用の曲と言われています。非常にテンポが早くて、技術を要する曲なのです。

20年以上前にこの曲に出会い、何回も踊ってきましたが、今回歌詞をじっくりと見ているうちに、気がついたことがあります。これも、練磨して練磨して、やっと気がついたことなのです。

 

トークタイム

 

「和のたしな美塾」の理念は

「和のたしな美塾」の理念は「真・善・美」の追求です。

日舞も師匠から「型」を学び、それを練磨していくという伝承の文化ですね。そして、その先には「型」を超え、自身から溢れ出てくるものがあります。それが「神性」であり、「真・善・美」の世界であると思っています。

『七福神』の舞をご覧いただいた方々のご感想

舞をご覧いただいた方々から、清らかで透明感があって美しかったと、そして涙が溢れてきましたと、ご感想をいただきました。

ご参加くださいました鈴木まきさん、ありがとうございました。
まきさんのブログにも素敵な感想を書いてくださいました。
どうぞご覧くださいませ。

もう一人のお客様は、カラーリストの清水雅子さんです。

 

 

唄の後半の歌詞

唄の後半では、「引く」という言葉に関連のある言葉を集めた「ひくものづくし(めでたいものづくし)」になっています。

七福神の舞

笛や太鼓などの鳴り物がとても賑やかさを出しています。神々様は賑やかで楽しくておめでたいものが大好きなのだということが分かります。

 

七福神の説明

 

唄に登場する神々は

長唄『七福神』に登場するのは前半では恵比寿さまお一人ですが、後半では、「宝船」という言葉で七人の神々が登場し、「千代の御神楽」という言葉で、天岩戸の前に集合していた八百万の神々までもが登場してくるような様子を描いています。

 

芝舟とお抹茶

 


 

豊かさとは何でしょうか。

日本の国土安穏、そして五穀豊穣を神々とともに願い祈ること。

そしてニコニコ顔の神々を招来し、最後は皆々様の幸せを願いながら、永遠のご縁を大切に、

みんなが幸せでありますように、みんなで仲良くしていきましょうという願いが込められています。

注連縄を強く引いて、みんなが神様の世界にともに上っていくという結末です。

私にはそのように感じられます。

それがこの曲の眼目です。

新しい時代の天の岩戸開き。一人一人が神そのものになるのです。

『七福神』にはそんな意味合いが込められています。

星夜さんの『JKと7人の神様』、そして宝の言葉がぎっしりと詰まった長唄『七福神』、

本当の豊かさとは心で感じるもの。豊かさとは何かをご一緒に考え、これからも共有していきたいですね。

どうぞまたのご参加をお待ちしております。

 

 

 

 

Oct 3, 2017

【七十二候から】48 「水始めて涸る(みずはじめてかれる)」

【七十二候から】48

「水始めて涸る(みずはじめてかれる)」
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皆様、おはようございます。

田んぼから水を抜いて、稲刈りに取りかかる頃。

黄金色に実った稲穂を収穫する秋真っ最中です。

大雨が続き、日照時間が少なかった今年。

北海道でも野菜の収穫に打撃を受け、値段が高騰しましたね。

宮城の郷里でも、今年はお米が不作だと聞いています。

自然の力の前には何もする術もなく、ただ立ちすくむ人間。
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宮澤賢治が「アメニモマケズ」で表現しています。

ヒドリノトキハ ナミダヲナガシ

サムサノナツハ オロオロアルキ
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農家が不作によって日雇い労働をしなければならない状況を見た時、

冷夏で日照時間が短く植物が育たない時、

人はただただオロオロし、涙を流すだけです。

田の神様にひたすらお願いをして、何とか稲が実りますようにと、

ただただ祈るしかありません。

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秋の実りは格別です。

「黄金の国ジパング」は、秋の実り、田んぼの黄金色に輝くさまを言っているのだと思います。

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黄金の稲穂

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手間暇をかけて育てた稲をいよいよ収穫する時。

9月など、早い時期に収穫するものは「早稲(わせ)」

遅い時期に収穫するものは「晩稲(おくて)」

その中間に収穫するものは「中稲(なかて)」

収穫の喜びはひとしおです。

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どんなに人が田んぼに手をかけても、自然の力には及びません。

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稲の受粉は、これがまた神秘的です。

8月中旬ごろ、稲は白い花を咲かせます。

稲の花の開花は午前中のたった2時間ほどで、

しかも、受粉は10分から20分といわれています。

穂の先のほうから下に向けて順に5日間くらいかけて咲きます。

この短い受粉期間での受粉。

なんと神秘的でしょうか。

この最も大切なこの時期に、台風がやってきたり、海に近いところでは潮の被害があったりすると、稲は受粉できず、お米ができなくなります。

秋の収穫までを考えれば、本当に奇跡的なことなのですね。

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稲の花

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先人たちは、その年の豊作を田植えの時から祈り、丹精込めて水田を手入れし、お米を作ってきたのですね。

お米は八十八もの手をかけて育てるものといわれています。

いろんな行事やお祭りの中にその願いが込められています。

その心は今も変わらないですね。

新米を今年も感謝していただきましょう。

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おにぎりと味噌汁

 

Sep 28, 2017

【七十二候から】47 「蟄虫戸を坯す(すごもりのむしとをとざす)」

【七十二候から】47

「蟄虫戸を坯す(すごもりのむしとをとざす)」

皆様、おはようございます。

秋分の中候。

虫が隠れて戸をふさぐ頃。

あんなに暑かった夏から秋へ。

いつの間にか蝉の合唱から虫の合奏へと季節は移り変わりました。

虫の音、なんと耳に心地よいことでしょう。

都会暮らしをしていると、

「虫さん、ああ、よくこんな路地に来てくれたね。いい音色をありがとう。」と、

思わず心の中で虫たちに呼びかけてしまいます。
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夜のススキ

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暑さがぶり返し蒸し暑い日々が続いたと思っていたら、

気温が急に下がり、秋を肌で感じる頃になってきましたね。

そろそろ虫たちは越冬の準備を始める時期。

もうそんな季節ですか。

だれが教えたわけでもないのに、

自然界では、虫たちがあたたかい土の中で巣ごもりの支度を始めるのですね。

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この虫の音を聴くことができるのも、あともう少しなのですね。

秋の夜長の虫の音、いいものです。

チンチロ、チンチロ、チンチロリン。

リンリンリンリン、リーンリン。

キリキリ、キリキリ。

チョン、チョン、チョン、スイッチョン。

松虫、鈴虫、コオロギにウマオイ。

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蔦と秋の葉っぱ
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日本人は、西洋人と違って、虫の音も音として聞き分けることができます。

それは、西洋人は虫の音を雑音として右脳でとらえるのに対して、

日本人は、虫の声を言語と同様に左脳でキャッチしているからです。

日本人が大自然との調和の中で、人間も自然の一部なのだと捉える生き方は、

この左脳の働きも大きく作用しているのですね。

神は、日本人をそのようにおつくりになったのです。

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今のうちに、しばし、秋の夜長、虫の音を味わってまいりましょう。

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夕日とススキ

 

Sep 21, 2017

老後は知恵の伝承者

江戸時代、お年寄りは隠居して、若い人を育て引き立てる役目でもあったそうです。

人生50年の時代。

40歳を過ぎると、そろそろ世代交代の準備の入るのが江戸の慣わしだったそうです。

これを「老入り」と呼びました。

隠居後は、年長者ならではの見識を期待されました。

例えば、

ユーモア精神をもって、若者をどれだけ笑わせたか、

若者をどれだけ引き立てたか、

若者にどれだけ知恵を伝承したか。

一人でも多くの若者を育てることが評価基準になっていたのですね。

隠居後、自宅のまたは地域の相談役に徹したそうです。

黒澤明監督の『七人の侍』でのワンシーン。

野武士から村人や農作物を守るにはどうしたらよいか、

村人総勢で話し合っても良いアイディアが出なかったので、

水車小屋の古老に尋ねたところ、

「侍、雇うだ。

腹の減った侍探すだよ。」と明解なこたえが返ってきたのです。

さすが、年の功ですね。

明治初期に「老後」という言葉が生まれ、

現代は、社会構造の変化の中で、年長者に対する尊敬の念が薄れてしまいました。

「老入り」という言葉も考えも、消えてしまったのです。

言葉の持つニュアンスは、イメージを大きく変えてしまいますね。

107歳まで現役だった彫刻家平櫛田中(ひらくしでんちゅう)氏の明言。

「七十、八十は鼻たれ小僧。

人間盛りは百から百から」

少子高齢化で核家族化した社会には、この「老後」ではなく「老入り」による

長老の知恵が是非とも必要だと思いませんか。

シニア世代との断絶ではなくて、むしろその知恵を活かして、

若い世代と持ちつ持たれつ、いたわり合い、育て合うような社会を

また取り戻していけたら、素敵ですね。

 

私も現在実母の介護をしております。

これはやはり切実な問題です。

若い世代が高齢者とのコミュニケーションの橋渡しをどのようにしていくか、

またどのようにいたわっていくか、

「和のたしな美塾」では、そのようなことも今後考えていきたいと思っております。

 

 

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