鎌倉を静かに見守る太田道灌

太田道灌のお墓を見つけました。

道灌は扇谷(おおぎがやつ)上杉家の家宰(かさい)で、元々の江戸城を築いたことで有名ですが、鎌倉の源氏山から寿福寺に抜ける途中の下り坂の脇(英勝寺の墓地の裏側)にひっそりと佇んでいました。


太田道灌の墓

傍らにある碑文を要約すると、
「徳川家康の側室のお勝の方が、出家後に英勝院と号し、三代将軍家光から源氏山一帯を賜って、英勝寺を開いた。この太田道灌の墓は、1826年水戸徳川家の子孫である英勝寺住職が再建したものである。」とのことでした。

あんなに有名な武将のお墓にしては、随分と質素で小振りなお墓でしたが、ここ以外でも伊勢原市に首塚、胴塚があるとのこと。

なお、道灌は刺客に殺されたということですが、刺客が読んだ上の句「かかる時さこそ命の惜しからめ」に、「かねてなき身と思い知らずば」と下の句を返したということです。


意味は、「このような時、どんなに命が惜しいだろう。」、「前もってこの身は無常であると悟っていなかったならば。」です。・・・すごい。


白梅 東慶寺


奇しくも辞世の句となった句が、今まさに刺客に刺された時に詠まれようとは。
泰然自若とした人としてのあり様に、感服するばかりです。