【七十二候から】47 「蟄虫戸を坯す(すごもりのむしとをとざす)」

【七十二候から】47

「蟄虫戸を坯す(すごもりのむしとをとざす)」

皆様、おはようございます。

秋分の中候。

虫が隠れて戸をふさぐ頃。

あんなに暑かった夏から秋へ。

いつの間にか蝉の合唱から虫の合奏へと季節は移り変わりました。

虫の音、なんと耳に心地よいことでしょう。

都会暮らしをしていると、

「虫さん、ああ、よくこんな路地に来てくれたね。いい音色をありがとう。」と、

思わず心の中で虫たちに呼びかけてしまいます。
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夜のススキ

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暑さがぶり返し蒸し暑い日々が続いたと思っていたら、

気温が急に下がり、秋を肌で感じる頃になってきましたね。

そろそろ虫たちは越冬の準備を始める時期。

もうそんな季節ですか。

だれが教えたわけでもないのに、

自然界では、虫たちがあたたかい土の中で巣ごもりの支度を始めるのですね。

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この虫の音を聴くことができるのも、あともう少しなのですね。

秋の夜長の虫の音、いいものです。

チンチロ、チンチロ、チンチロリン。

リンリンリンリン、リーンリン。

キリキリ、キリキリ。

チョン、チョン、チョン、スイッチョン。

松虫、鈴虫、コオロギにウマオイ。

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蔦と秋の葉っぱ
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日本人は、西洋人と違って、虫の音も音として聞き分けることができます。

それは、西洋人は虫の音を雑音として右脳でとらえるのに対して、

日本人は、虫の声を言語と同様に左脳でキャッチしているからです。

日本人が大自然との調和の中で、人間も自然の一部なのだと捉える生き方は、

この左脳の働きも大きく作用しているのですね。

神は、日本人をそのようにおつくりになったのです。

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今のうちに、しばし、秋の夜長、虫の音を味わってまいりましょう。

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夕日とススキ