たしな美人「和の雑学」
Mar 2, 2016

【七十二候から】6 「草木萌え動く(そうもく もえうごく)」

【七十二候から】6

「草木萌え動く(そうもく もえうごく)」

皆様、おはようございます。

雨水の末候。

寒い冬の間に蓄えていた生命の息吹が、柔らかい陽光のもと、

現れ始める頃です。

そこここに春の花が咲き始めています。

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雨水のこの時期に降る雨を「木の芽起こし」と呼びます。

木の芽を膨らませ、植物の開花を助けるために必要な雨です。

ひと雨ごとに春を感じさせてくれる頃ですね。

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人の暮らしには雨は厄介なこともありますが、

美しい花々を待ちわびる、そんな思いも大事にしたいですね。

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皆様、今日もすべては完璧、大成就の日でありますように。

行ってらっしゃ~い。

いつもありがとうございます。

いずみ鉄道脇の菜の花

 

Feb 24, 2016

【七十二候から】5 「霞始めてたなびく」

【七十二候から】5

「霞始めてたなびく(かすみ はじめて たなびく)」

皆様、おはようございます。

「霞始めてたなびく」

山の中腹に霞がたなびき出す頃。

「たなびく」には、うっすら、ぼんやり、なんとはなしにそこにあるという雰囲気がありますね。

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春に見るのが、薄ぼんやりとたなびく「霞」。

秋には、それを「霧」と呼び分けます。

また、昼は「かすみ」、夜は「おぼろ」と呼び分けます。

万葉人の自然を愛でる感性が伝わってくるようです。

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ドライバーの皆さん、

電車に乗っている皆さん、

山をちょっと注意して見てくださいね。

春の息吹を体いっぱいに感じてみましょう。

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皆様、今日もすべては完璧、大成就の日でありますように。

行ってらっしゃ~い。

いつもありがとうございます。

046

 

Feb 19, 2016

【七十二候から】4 「土脈潤い起こる」

【七十二候から】4

「土脈潤い起こる(どみゃく うるおいおこる)」

皆様、おはようございます。

雨水」の初候。

昨日東京から郷里の宮城に来ました。

重たい雪が溶けて氷が溶け出し、降る雪も雨へと変わりつつあるようです。

アイスバーンから開放され、ドライバーは安心の心持ちですね。

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早春の暖かい雨が大地に降り注ぎ、すべてが潤い目覚める頃。

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江戸中期には、お伊勢参りが庶民の間で春の行楽として流行したそうです。

自由に旅ができないご時世でしたが、お伊勢参りは通行手形を認められたのです。

一生に一度でも行きたい庶民の夢。お伊勢参り。

江戸からお伊勢まで15日という長旅。

伊勢から京や大坂まで足を伸ばして、春を満喫したのでしょう。

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健脚ぞろいのこの時代。

春の旅はさぞかし楽しかったことでしょうね。

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皆様、今日もすべては完璧、大成就の日でありますように。

いつもありがとうございます。

紅梅

 

Feb 15, 2016

【七十二候から】3 「魚氷に上る(うお こおりにあがる)」

【七十二候から】3

「魚氷に上る(うお こおりにあがる)」

皆様、おはようございます。

昨日は春一番が吹き荒れた日となりましたね。

都心は強風のために電車の遅れもありました。

暖かくなってきて湖の氷が割れ、魚が跳ね上がる頃です。

冷たい水の中で若い魚たちが勢いよく動く様子に生命の躍動を感じます。

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命のよみがえり、再生、躍動感。

春って、本当に素敵!!

大自然は今日も様々な生きる力を私たちに与えてくれます。

さあ、今日も一歩前へ進みましょう。

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皆様、今週もすべては完璧、大成就の日でありますように。

行ってらっしゃ~い。

いつもありがとうございます。

梅とメジロ

 

Feb 9, 2016

【七十二候から】2 「黄鶯睍睆(うぐいす なく)」

【七十二候から】2

黄鶯睍睆(うぐいす なく)」

皆様、おはようございます。

春の到来を告げる鶯が鳴き出す頃。

春に先駆けて咲く梅の花を「春を告げる花」、

その頃に鳴く鶯を「春告鳥」と呼びます。

今ではあまり「うぐいすの粉」を目にしなくなりましたが、

鶯の糞には酵素が多く含まれていて、美白効果があるということで、

江戸時代には一般庶民から芸者衆、歌舞伎役者まで幅広く使われていました。

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鶯のさえずりを聞きながら、

お抹茶と鶯の練り切り~~春を感じる一服です。

ああ、ホッとする~~~。

皆様、今日もすべては完璧、大成就の日でありますように。

行ってらっしゃ~い。

いつもありがとうございます。💕

感謝しております。

鶯の和菓子

 

Feb 4, 2016

【七十二候から】1 「東風凍を解く(とうふう こおりを とく)」

【七十二候から】1

「東風凍を解く(とうふう こおりを とく)」

皆様、おはようございます。

今日は「立春」の初候ですね。

暖かい春風が吹いて、川や湖の氷が溶け出す頃。

まだまだ寒さが厳しいところもたくさんありますが、

旧暦の七十二候では今日から新年が始まります。

目の前に広がる新しい未来を心待ちにして、

今年も幸せいっぱいの時を過ごしてまいりましょう。

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暖かくしてお過ごしくださいね。

皆様、今日もすべては完璧、大成就でありますように。

行ってらっしゃ~い。

いつもありがとうございます。

ふきのとう

 

Dec 19, 2015

「冬」の「ふゆ」は、増えて湧き出ずること。

皆様、おはようございます。

 

「冬」というのは、草木が枯れ、ヒューヒューと木枯らしが吹き、

吹雪も舞い散る、身も心も小さくちぢこまる、

そんなイメージの季節のように思います。

ところが、「ふゆ」の語源を紐解くと、

なんと、

「殖ゆ」とか「振ゆ」という言葉にたどり着きます。

 

「言霊」から見ても、増えて湧き出ずるというエネルギーのようです。

 

『日本書紀』では「恩頼」を「みたまのふゆ」と読ませ、

神の神秘な働きや恵みを、そう呼んだようです。

 

私たち人間の魂(生命力、人の陽気)が増えることが「ふゆ」なのですね。

その時期を「冬」というわけです。

 

万物の生気が衰えるこの「冬」の時期に、

「魂振り」をして、エネルギーを充電するというわけです。

古の人々は、現象の世界に見えないものを

肌で感じていたことがよく読み取れます。

 

エネルギーの充電の方法が「神楽」だったのです。

 

 

 

「神楽」は、「物を搗(つ)く」ことであるといいます。

「物を搗く」の「搗く」というのは、穀物を杵や棒の先で強く打って押しつぶしたり、

殻を除いたりすることです。まさに米文化の農事です。

「物を搗く」と音を発しますね。

そして、上下運動をしますので、魂振りをするというわけです。

 

能や歌舞伎で演じられる五穀豊饒を祝う「三番叟(さんばそう)」の踊りに、

「揉(もみ)の段」と「鈴の段」がありますが、

地固めと種を蒔く舞、この種を蒔くために鈴を振る舞は、

まさに「魂振り」ですね。

 

閉ざされた種の中に、実は新しい命が芽生える季節「冬」。

 

どうぞ風邪などお召しになりませんように、

生気をこの時期しっかりと充電していきましょう。

 

秋の森の道

 

“和のたしな美塾”のご紹介ビデオが出来上がりました。

どうぞご覧くださいませ。

 

 

 

 

 

Jun 25, 2015

たしなみの言葉21「湯船」

露天風呂

 

今日も”和のたしな美塾”®から

たしな美人「和の雑学」をお届けいたします。♡

 

「湯船」

 

今日もご訪問くださいまして、ありがとうございます。

最近テレビで映画『テルマエ・ロマエ』を放映していましたが、

古代ローマに日本の風呂をつくるという奇想天外な展開が面白いですね。

平たい顔族が湯船につかっている姿はとっても気持ちが良さそうで、見ていてうっとり。

 湯上りのイチゴ牛乳も美味しそうだし、マッサージも心地良さそう。

 温泉に行きたくなります。

♡♡♡♡♡♡♡♡♡

この映画で日本の文化を改めて見直すきっかけにもなりますね。

お湯にゆっくりとつかって疲れを癒すのは極上の時間です。

怪我や痛みを和らげ健康になれれば、気持ちも穏やかになり、

平和な時が自然に訪れます。

♡♡♡♡♡♡♡♡♡

日本人はお風呂好き。

室町時代にはまだまだ蒸し風呂でした。

江戸時代になり、水が豊富に使えるようになってから浴槽に湯を張る形式ができていきました。

「銭湯」ができました。

「銭湯」のことを「湯屋」といいました。

入浴のことを「湯浴み」といいます。

浴室のことを「湯殿」といいます。

実際に、「銭湯」が普及していない町外れや遠い地域の人のために

湯を積んだ船「湯船」が商いとして巡回していたということです。

湯船にゆっくりとつかって、汗を流してくださいね。」

湯船で鼻歌を歌っていましたね。」

あなたは、この「湯船」という言葉を使っていますか。

「バスタブ」「お風呂」「浴槽」などを頻繁に使っていませんか。

「湯船」という言葉にもお風呂好きの日本の歴史が刻まれているように思います。

お湯の入った船に乗って、癒しの国へ行くような、

柔らかい言葉の響きを持っていますね。

頑張っている自分を癒す大事な時間を与えてくれる処です。

忘れかけている「湯船」という魔法の言葉、

是非お使いくださいね。

 

 

 

May 7, 2015

たしなみの言葉20「振り出し」

今日も”和のたしな美塾”®から

たしな美人「和の雑学」をお届けいたします。♡

 

「振出(ふりだし)」という金平糖やあられなど

小粒のお菓子を入れる小型の菓子器があります。

これは茶箱に入れて持ち歩く、コンパクトな携帯用の器で、

とても可愛らしいものです。

 

「振出」

中に入っているお菓子を振り出して出すことから、そう呼ばれています。

 

 

「振り出し」

そういえば、子どものころ、よく双六(すごろく)遊びをしました。

双六のスタート地点は「振り出し」

どんなに先へ進んでも、「振り出しに戻る」と出れば、

最初に戻らなければいけなかったのが、悔しかったし、がっかりでしたね。

 

「振り出しに戻る」は、

それまで積み上げてきた合意が崩れたり、努力が実らなかったりして、

初めからやり直すこと

に転じて使われています。

 

 

日常でこんなことがありますね。

パソコンで長文を打っていたのに、

バックアップをとっていなかったために消えてしまった。

また振り出しに戻って打ち直さなければいけない・・。

こんな苦い経験をなさったこともあると思います。

 

それまでかけてきた時間や労力を思えばがっかりすることも多いですね。

でも、思い直して、

それまでの経験は必ずや生きてくるはず。

現代では「リセット」とも言い換えることができるでしょうか。

体もため込んだ疲労をリセット。

心もリセット。

 

今日も「振り出し」に戻って、

初心に戻ればこそ、

目の前に飛び込んでくる世界が新鮮に見えてくるはずです。

ゼロにした分、得るものも入ってくるものも、大きい、大きい。

きっとそこに気がつくことが今回の学びだったのだと。
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紫のサクラソウ

 

Apr 30, 2015

たしなみの言葉19「とりもつ」

サツキ

今日も”和のたしな美塾”®から

たしな美人「和の雑学」をお届けいたします。♡

 

今日は「とりもつ」をお送りします。

前回の「とりなす」と似ているように見えますが、

実は違いがあります。

 

「とりなす」は、仲違いしている間柄の両者にアクションを起こすことでしたが、

「とりもつ」は、両者の関係性が悪いわけではない場合にも使います。

 

まだ出会ってない二人を引き合わせたり、

今のところ二人とも関心がないかもしれないけれども、

将来きっとよきパートナーになるだろうと、

よい間柄をつくる橋渡しをすることを指します。

 

 

「とりなす」は、仲裁や調停、和解の場合に使いますが、

「とりもつ」は、仲介する場合に用いますね。

 

どこかの集まりに参加したとき、

きっと二人とも将来お互いにいい関係になりますよと、

和の仕事をなさっている方を紹介されることがあります。

そこで思わぬ出会いをいただき、

その方とのご縁を大切にしていると、

素晴らしく発展していくことがありますね。

 

逆に、私の講座で出会ったお二人が

いつの間にか互いに交流を深めていらっしゃることも多くあります。

とても嬉しいことです。

 

それぞれの良さが引き合い、お互いが発展されていくことは、

素晴らしいことです。

人と人とのご縁は、不思議なものです。

「とりもって」くださった方をいつも感謝できる自分でありたいものです。

そして、よいご縁を「とりもつ」

人に喜ばれる愛のキューピットでありたいものですね。



 

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