たしなみの言葉18「とりなす」
今日も”和のたしな美塾”®から
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父と兄がけんかをして、二人とも、もう二日も口をきいていない時、
「妹が間に入ってとりなした。」
こんなケースは日常茶飯にありますね。
もともと仲が良かった間柄にひびが入りそうになって、
第三者が間に入って仲直りをさせることです。
「とりなし」は
仲裁や調停と同じように、対立している両者の間に入ることですが、
「取り成し」「執り成し」と書きますので、
その場をうまくまとめたり、その関係を良好なものにしようという意図が強いものです。
仲裁、調停、和解は裁判の場でも使われていますね。
「法的なとりなし」が法律の中に組み込まれ、
調停や和解で法的に解決するのは日本独特のものです。
「丸くおさめる」という言葉があるように、
決して対立で終わらせない円満に解決する、ともに手を携えて生きるという
日本の精神性がその根底に流れています。
自然とは決して対立せず、自然も人もすべて一つのものと捉える日本人の脳の働きが
自然にそうさせるのでしょう。
周りで何か不穏な動きが始まっても、
あなたの優しい「とりなし」がきっとその状況を変えます。
素敵な一週間を創っていきましょう。
たしなみの言葉17「目もあやな」
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なかなか普段は使っていない言葉
「目もあやな」です。
「週末のパーティーに、ど派手な赤のワンピースを着ていくわ。」
の「ど派手」に相当する言葉ですね。
「ど派手な演出」「ど派手な宣伝」などと使っていますが、
大和言葉で、より激しく美しい表現が
「目もあやな」です。
「目もあや」の「あや」は「綾」「彩」と、
美しい模様が目に映るようなイメージが浮かんできますが、
実は、この「あや」は、
「怪しい」の「あや」です。
衣装や飾り付けがきらびやかで、
目がチカチカするためにまともに見ることができない。
それほど派手で美しい。
まばゆくて目も開けていられないほどに美しい。
「ど派手」というと、マイナスのイメージもありますが、
「目もあや」は、
目もさめるほどにきらびやかな様を連想させますね。
竹の中から出てきた「目もあやな」かぐや姫を
見つけたときのおじいさんとおばあさんの感動はいかばかりだったか・・・。
かぐや姫の「目もあやな」優しいオーラは
多くの人をとりこにしたのですね。
女性は、そんな「目もあやな」魅力をだれしも持っているのではないでしょうか。
男性は、女性に「目もあやな衣装ですね。」と、褒めてさしあげたら、
ワンランク、株が上がるかもしれませんよ。
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たしなみの言葉16「腕によりをかける」
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「今晩は腕によりをかけてお料理を作るから、是非遊びに来てね。」
と、電話やメールこの言葉を受け取ったら、
心がワクワク浮きたちますね。
ホテルなどの外食でお客様をもてなすことが多くなった昨今ですが、
自宅で手料理でもてなすことが新鮮に響き、
しかも親近感を覚えますね。
お互いが膝を交えて、一層親密に、
しかも温もりの中でともに時間を共有できる
幸せを感じます。
「腕によりをかける」の
「より」とは、「縒ること」「撚ること」です。
数本の糸をねじり合わせて一本の強い糸をつくることです。
この「よりをかける」は、ご馳走を作るときに使うのが大方ですね。
「一生懸命」や「気合を入れる」の意気込みを
「腕によりをかける」と表現するのは、面白いですね。
大事な人のために、
「腕によりをかけて」
お料理をつくりたいものですね。
たしなみの言葉15「お似合いですね」
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時々お会いする方でも、
同じ場所でともに仕事をしている方でも、
全くお話をしたことがないという方がいるものです。
今日こそは自分から一言、何かを切り出してその方と会話をしたい。
そんなことがありますね。
そんな時、
その方の装いを褒めてみたら、いかがでしょうか。
「その色、お似合いですね。」
「春らしい素敵なピンクですね。」
すると、相手の方は、
「あら、派手かしら・・。」
「実は娘からのプレゼントです・・。」
などと、ちょっとてれながらも、笑顔でこたえてくれます。
人々はみな日々装いをします。
話のきっかけに、
心からの自分の言葉で、
相手の装いについて語ったとき、
新しい交流のきっかけが生まれますね。
内気でなかなか自分から切り出せないなあと
思う方も、
思い切って相手に語りかけることで、
コミュニケーションがそこから始まるものです。
「お似合いですね。」
「装い」への言葉、
今日も相手の方に思い切って語りかけてみませんか。
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たしなみの言葉14「紅を差す」
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最近「紅を差す」という言葉をあまり使わなくなりました。
リップスティックを使って「口紅を塗る」「ルージュを塗る」
というのが今では一般的な表現になっていますね。
現在普通に使われている言葉は「口紅を塗る」ですね。
「ペンキを塗る」ごとく、
平面的に均一に仕上げるようなニュアンスがあります。
江戸の時代、紅は高価なものでした。
江戸女性は地味な着物に決め色の赤をどこかに身にまとい、
顔はスッピンに赤い紅を引く。
それがお洒落だったようです。
紅は、自分の指を使って、
しかも普段あまり使わない薬指を「紅差し指」として
使っていました。
紅は「塗る」ものではなくて、
「差す」ものであり、「引く」もの。
紅を差すと、顔が一瞬にして
ぱっと華やかになります。
お化粧をしている本人の心が浮き立つ瞬間です。
合わせ鏡を使って身支度を整えて、紅を差す女性の光景は
ほんのりとした色気をイメージさせてくれますね。
こんな仕草をするのは舞妓さんでしょうか。
お化粧も女性のたしなみ。
「紅を差して」、
今週も明るくスタートしましょう。
たしなみの言葉13「いましがた」
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ちょっと古風な言い方ですが、
「たった今」「ほんの少し前」ということを
「いましがた」
と表現していみたらいかがでしょう。
「いましがた」は「今し方」。
「し」は強調のための助詞で、
「方」は時間的な方向の意味合いから頃、時節のこと、
「今」は、この場合、ごく最近の過去のこと。
「いましがた電話がありました。」
「いましがた戻りました。」
など、メールなどのやりとりの中で使うと、
古風な品の良さや凛々しさなどが
相手に伝わります。
営業から会社に戻ったときに、
「たった今戻りました。」
と言うよりも、
「いましがた戻りました。」
と「いましがた」を使うと、
話している自分自身も、
どことなく背筋がピンと伸びるような感覚になると思います。
「いましがた」
響きがいいですね。
使ってみませんか。
たしなみの言葉12「お心にかけていただき」
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常日ごろ交流がある方に対して、
こんな言葉も素敵な表現ですね。
「日ごろは何かとお心にかけていただき、ありがとうございます。」
相手の方が年上の方だったり、
ビジネスで何かとお世話になっている方だったり、
ご近所の方だったり、などなど、
その方たちにこの言葉を使うと、その場が 和やかな雰囲気に満たされます。
お互いに笑顔で次の言葉やお願い事などもスムーズになりますね。
やはり、言葉は口だけではなくて、
心から真心の言葉を発することで相手の方に通じます。
相手の方に感謝の思いがあれば、
「お心にかけていただき、」
と、さりげなく出てくるでしょう。
大勢の周囲の人たちに支えられて生きていることに感謝を込めて、
広い範囲の知人の方に使える感謝の言葉、
「日ごろは何かとお心にかけていただき、ありがとうございます。」
を、さりげなく使えたら最高ですね。
たしなみの言葉11「日ごろは何かと」
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常日ごろ、相手の方と交わす言葉を大事にしたいものですね。
日常的に交流がある方に対して、
また、普段しばしばお仕事上で関わる方に対して、
「日ごろは何かとお世話になりまして、ありがとうございます。」
と、大事なお話の前に付け加えると、場が和らぎますね。
よく電話で挨拶代わりにはじめに交わす言葉として
「お世話になります。」と言いますが、
「日ごろは〜」という言葉を入れると、より丁寧に聞こえます。
もう少しかしこまった表現だと、
「日ごろは何かにつけてご厚情を賜り、ありがとうございます。」
となります。いかがですか。
これは手紙にも使える表現ですね。
和みのある美しいやまと言葉を、存分に使いましょう。
たしなみの言葉10「手を携えて」
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「手を携えて、やっていこうよ」
と、助け合って、ともに進もうよと、
仲間同士に呼びかける言葉ですね。
使ったことはありますか。
もともと、
「携える」は、移動するときに荷物などを手に持つことです。
ここに「手を」という言葉が入ると、
二人以上の人が手を取り合って進むという意味になります。
上下関係がなく、ある目標に向かってみんなでやっていく。
同じ夢を持つ人同士が、一人ではできないことをやっていく。
「手」という言葉は、人と人との温もりにあふれた言葉ですね。
ネットでのコミュニケーションが優先される時代だからこそ、
人と人とは直接会って、言葉を交わし、肌の温もりを感じ合う
ことの大切さをこの言葉は示してくれているように思います。
「手を携えて進もうよ。」
互いの温もりから発するエネルギーが大きく世界に広がっていくような感じがしますね。
たしなみの言葉9「遅ればせながら」
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お友達の誕生日がうっかり過ぎてしまったことに気がついて、
「遅れてごめんなさい。お誕生日おめでとうございます。」
なんて、言っていませんか。
そんな時、
「遅ればせながら、お誕生日おめでとうございます。」
と表現してみたら、いかがでしょうか。
「少し遅れてごめんなさい。」という気持ちがじんわりと相手に伝わります。
「遅ればせながら」の元々の意味は、
遅れて馳せ参じるということです。
つまり、大切な場にほかの人よりも遅れて駆けつけるということを意味します。
それが転じて、
きっかりした明確な日時の約束事ではなくて、
曖昧な約束事を少し過ぎてしまったときに使います。
丁寧な謝罪は仰々しいし、
かといって、何も言わないのもおかしい。
そんな時に使えますね。
「遅ればせながら、ありがとうございます。」
「遅ればせながら、ごちそうさまでした。」
柔らかい言葉ですね。相手の方も、気持ちがよくなります。
ぜひ使ってみてくださいね。