三方よし〜感謝の心
江戸時代初期、江戸の経済を支えていたのは近江と伊勢出身の商人たちでした。
近江商人の活動理念を象徴的に表した、
「三方(さんぽう)よし」という言葉がありますね。
「売り手よし、買い手よし、世間よし 」
これは、滋賀大学の小倉栄一郎教授の造語で、『近江商人の経営』の中で書いた言葉です。
原典は、現滋賀県五個荘町の麻布商、中村治兵衛が70歳の時に養嗣子の宗次郎に
あてた家訓『宗次郎幼主書置』にあります。
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商人として栄え、長続きしていくためには、
まずお客様に喜んでいただく品物を提供すること、
そしていたずらに大儲けをしようなどと考えてはいけない、
お天道さまの恵みのおかげという感謝の気持ちとお客様に喜んでいただこうという
気持ちが大切だ、
そうすれば、世間の皆様も応援してくださるに違いない。
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みな仏の化身、みな生かされているという考えのもとで、
互いの商売繁盛を願い、支え合い、分かち合う生き方をした江戸商人の考え方と
相通ずるものがありますね。
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ともすれば、マネーゲームに走るようなビジネスもありの現代です。
お天道さまに見守られ感謝しながら、人と人との触れ合い、温もりを大切にして、
「おかげさま」のこころで商いをしていくという価値観には、ほっとするものがありますね。
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今、中村治兵衛が子どもに書き残した家訓は企業経営の理念だけではなく、
何ごとにも通じるものがありますね。
「おかげさま」
その原点を再考する必要があるように思います。
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和風ウォーキングの効用
和風ウォーキングってナンバ歩きのことです。
「ナンバ歩き」という言葉を知らなくても、
阿波踊りや盆踊り、沖縄のエイサー、花笠踊りはご存知だと思います。
右手右足、左手左足を同時に動かす歩き方のことです。
意外に知られていないですね。
日本は明治期から、西洋式の行進や軍隊の歩き方が導入されましたので、
いつの間にか忘れられてしまいました。
日本人は、もともと農耕民族でした。生きるための糧を得るために畑を耕すとき鍬や鍬などの道具を使っていました。鎌を持つとき、右手右足が同時に働きますね。こういう動きを長年の間に培ってきたのでしょう。
それとは違って、西洋は狩猟民族でしたから、生きるための糧を獲る方法も違っていましたね。自ずと所作も異なっていったと思われます。
「ナンバ歩き」は現代では能、歌舞伎、日本舞踊、盆踊り、相撲など探せば随所に見られますね。
世界陸上の末續慎吾選手、マラソンの高橋尚子選手も、実はナンバ走法でした。
体をねじらず、手の振りは前へ小さくして重心は低くするなどの工夫がされていました。
江戸時代の飛脚や忍者が用いていたのがこのナンバ走法でした。
省エネで、しかも瞬発力のある動きです。
昨今、能の活性化にとってもよいと注目されている「ナンバ歩き」。
認知症や脳の障害の予防にも効果があるそうです。
詳しくはまた後日・・・。
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本日は、和風ウォーキングと日本語48文字カタカムナの学びです。
江戸庶民のように、身も心もダイエット
老子の言葉に、「足るを知る者は富む」という言葉があります。
人生は分相応のところで満足していれば、心豊かに暮らせるということをいっているのでしょう。
江戸庶民は、美味しいものを食べたり、楽しいことをしたりすることに幸せを見い出していたようです。
「宵越しの金はもたねえ」といわれるように、お金を使うことやお金をためることに重きをおくのではなく、その日その日の幸せに心ときめかせて生きていたのですね。
頻発する火事で、家も家財道具も愛する人をも失う経験をしてきたからこそ、その日その日を大事に生きることを大切にしたのでしょう。
江戸庶民の生きるスタンスには三つあります。
余計なものは持たないこと。
くよくよと思い悩まないこと。明日は明日の風が吹く。
出世を望まないこと。出世すれば忙しくなって家族との時間も取れなくなって
しまう。
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人生は分相応。
そこから見ると、現代人は多くのことに気を向けすぎています。
気が付いてみれば、体も心も疲れきった状態になっています。
身も心もダイエット。
心身の断捨離。
やっぱりシンプルな生き方に向かっていけば、日々の何げない喜びがより鮮明に幸せに見えてくるのではないでしょうか。
和のこころと脳の働き
日本人は大自然と共に「一つの大きな命」として調和する民族だったということを書きましたが、
(「サムシンググレート」
http://blog.derivejapan.com/japanese-heart/something-great/ )
日本人は、右脳や左脳の働きにおいても、西洋人と比べて独特の働きをするという
ことです。
例えば、風の音、虫の音、川のせせらぎなど、左脳でとらえているのです。
西洋人は音全般を右脳でとらえ、雨や風、動物や鳥の鳴き声なども雑音として右脳で扱うということです。
日本では、「風」一つとっても、いろんな名前をつけていること、虫の音も鈴虫、松虫、クツワムシなど、ああ、面白い、虫の声と、音の違いを聞き分けることも、脳の働きなのですね。
だから、自然界の音をわびさびの世界に取り入れることができる感性が生まれるの
ですね。
大自然と調和して生きることが「一つの大きな命」と自然に感じられるのも、日本人
独特の脳の働きと感性が基盤にあるからではないでしょうか。
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赤崎教授の快挙〜和の精神・歳をとることは尊敬されること
日本の脳科学者である松本 元(まつもと げん、1940.11.24 – 2003.3.9)氏は、
神経細胞が巨大で観察しやすいヤリイカの人工飼育法の開発や神経細胞の研究、
そして脳型コンピュータの開発を手掛けた人です。
松本氏は、『愛は脳を活性化する』という著書の中で、以下のように述べています。
「脳にとっては、イメージが先で現実は後である。
出来たとイメージすれば、それができるように脳が働く。」
目の前の小さな夢でも、将来の大きな夢でも、まず自分がやり遂げた、
それが実現したと意識し、イメージすれば、それができるように、できるように
脳が働いてくれるということです。
昨夜は今年のノーベル物理学賞の発表のニュースで湧きました。
LEDは1960年代に赤や緑色が開発されてきましたが、光の三原色のうち青色は素材の結晶作りが難航したため、「20世紀中は無理」だと言われてきたのですね。
世界中の多くの研究者が手を引いていく中で、赤崎教授は「絶対あきらめなかった」と言っていました。
そして、86年に窒化ガリウムの結晶化に成功させ、その後世界で初めて青色LEDを実現したということです。
脳というのは偉大な働きをするものですね。
目先のことに一喜一憂せず、できると信じて、そうイメージしながら、
あきらめずにコツコツとやっていくことこそ、脳が応援してくれるのですね。
更に言えることは、赤崎教授(名城大学終身教授)が85歳というご高齢である
ということです。
「歳をとる」の「トシ」とは、ト(統合)をシ(示す)という言霊に語源があると
いうことです。
「歳をとる」ということは、環境からあらゆるものを取り込んで自分のものに消化
吸収することを意味します。
もともと歳をとることは、洞察力に優れ尊敬されることだったのです。
言霊の語源にも多くの学びがありますね。
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