老子の言葉に、「足るを知る者は富む」という言葉があります。
人生は分相応のところで満足していれば、心豊かに暮らせるということをいっているのでしょう。
江戸庶民は、美味しいものを食べたり、楽しいことをしたりすることに幸せを見い出していたようです。
「宵越しの金はもたねえ」といわれるように、お金を使うことやお金をためることに重きをおくのではなく、その日その日の幸せに心ときめかせて生きていたのですね。
頻発する火事で、家も家財道具も愛する人をも失う経験をしてきたからこそ、その日その日を大事に生きることを大切にしたのでしょう。
江戸庶民の生きるスタンスには三つあります。
余計なものは持たないこと。
くよくよと思い悩まないこと。明日は明日の風が吹く。
出世を望まないこと。出世すれば忙しくなって家族との時間も取れなくなって
しまう。
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人生は分相応。
そこから見ると、現代人は多くのことに気を向けすぎています。
気が付いてみれば、体も心も疲れきった状態になっています。
身も心もダイエット。
心身の断捨離。
やっぱりシンプルな生き方に向かっていけば、日々の何げない喜びがより鮮明に幸せに見えてくるのではないでしょうか。