【七十二候から】42 「禾乃登る(こくものみのる)」
【七十二候から】42
「禾乃登る(こくものみのる)」
皆様、おはようございます。
処暑の末候、「禾乃登る(こくものみのる)」頃です。
田んぼの稲穂が黄金色に色づき始めました。
収穫時期が待ち遠しいですね。
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「禾(のぎ)」とは、稲などの穂先の毛のことですが、
稲や麦、稗、粟などの穀物のことを総称して、そう呼びます。
稲は、「稲禾(とうか)」「禾稲(かとう)」ともいいます。
稲は、縄文時代に日本に伝わったといわれています。
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「禾」穂先の毛 ウィキペディアより
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一方で、台風の襲来や強風も心配な時期です。
今年は雨の被害が多くて農作物への影響がとっても心配されます。
そのために、農業が無事に進むようにと祈るお祭りも行われます。
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富山県八尾(やつお)の「おわら風の盆」もその一つです。
八尾は立山連峰を越えて日本海から強い風が吹き込む土地です。
この風が稲作に深刻な被害をもたらしてきました。
風の神様に十分に稲が実りますように、風害に見舞われないようにと、
お祈りするお祭りです。
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「風の盆」は、
風を鎮める「風祭り」と「盆踊り」が一つになって変化した風習と考えられています。
三味線と太鼓、胡弓の独特な調べにのって無言で踊る風の盆。
地元の皆さんの見せどころです。
町ごとに総出で揃いの浴衣で、唄に演奏に踊りと、圧巻ですね。
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胡弓の音色がもの悲しく、何とも言えない哀愁を誘います。
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編み笠を深くかぶり、無言で踊る姿には、優美な色気が漂いますね。
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その哀愁漂う光景から小説やヒット曲『風の盆恋歌』などが生まれたのですね。
「蚊帳の中から 花を見る
咲いてはかない 酔芙容」
石川さゆり『風の盆恋歌』
一度は是非見に行きたいこの「おわら風の盆」。
前夜祭と9月1日から3日までの3日間、
夜を徹しての、夢のような、日本の素晴らしいお祭りです。
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写真:おわら風の盆 田中進さん提供
「風の盆恋歌」
皆様、おはようございます。
「蚊帳の中から 花を見る
咲いてはかない 酔芙容」
石川さゆり『風の盆恋歌』
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胡弓の哀愁漂う音が胸に響きます。
富山県八尾(やつお)の人々が守ってきた「おわら節」の民謡行事。
「越中おわら風の盆」ともいわれます。
今日3日までです。
この八尾は立山連峰を越えて日本海から強い風が吹き込む土地。
この風が稲作に深刻な被害をもたらしてきました。
そのため、「風の盆」は風を鎮める「風祭り」と「盆踊り」が一つになって変化した風習だとか・・。
三味線と太鼓、胡弓の独特な調べにのって、無言で踊る「風の盆」。
無言なのです。
その哀愁漂う光景から小説やヒット曲『風の盆恋歌』などが生まれました。
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編笠をかぶって無言で踊る姿に、優美な色気が漂います。
言葉にはならないものを心で感じる。
まさに「空気を読む」感覚。
見る側も、言葉ではなく無言で心で感じる感覚。
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きっと、大自然をいつも身近に感じていたら、もっと深く味わえるような気がします。
心豊かに感じること。江戸の人々もとっても大切にしていたことです。
今日も「お心肥やし(おしんこやし)」でいきましょう〜。
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