おはようございます。
日本の民族衣装である着物。
日常の中では着るチャンスって、そんなにありませんよね。
晴れの日、行事の日、会合のとき、観劇のときなど、ぜひ着て楽しみたいものです。
着物を楽しむ人は、「染めの着物」から「織りの着物」へと趣味が変っていくといわれています。
織りの着物は、肌になじみやすく、軽くて着やすいのが特徴です。
「織りの着物」つまり着やすい紬にみんな惹かれていくのですね。
紅花紬、黄八丈、小千谷紬、本場大島紬、牛首紬、久米島紬など、
紬は産地の名をとってこのように呼ばれています。
そんな中で、「結城紬」もまた格別の味わいがあります。
見た目には絹光りもせず、軽くて暖かく、素朴で独特な風合を持った織物です。
室町時代に結城家から室町幕府・鎌倉管領に献上品として使われたところから
「結城紬」という名が生まれたと言われています。
江戸時代に、何度も倹約令や奢侈禁令が出ましたが、
老中水野忠邦による天保の改革(1841年)では、
お菓子や玩具から肌着までもが禁止の対象になったそうです。
でも、結城紬は、経糸に木綿糸、緯糸に紬糸(貫紬)にしたので、禁止令から外れ、
命を永らえることができました。
見かけは木綿のように見えることから、武士にも好まれていたことはよく知られています。
結城紬は、真綿から手つむぎ糸や地機(いざり機)を使用するという工程をもつことから、
国の重要無形文化財に指定され、ユネスコ無形文化遺産にも登録されています。
この真綿の糸を作るためには、桑の木を育て、蚕を育てなければなりません。
気の遠くなるような作業を結城地方の農家の人たちは行ってきたのですね。
結城紬はたしかに高価なものですが、その反物の作成の工程を見れば、
いかに手がかかっているかがよく理解できます。
結城市にある「つむぎの館」という結城紬のミュージアムがあります。
奥順株式会社が提供しているところですが、小江戸風の町並みや喫茶も楽しめる素敵な空間です。
とってもくつろげる場所です。
お勧めですよ。
反物ができるまでの工程を描く資料館
古民家風の喫茶ルームで、珍しい桑の実のジャムを
本日も最後までお読みださり、ありがとうございました。
花冷えには気を付けて、週末をお過ごしください。
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