【七十二候から】22 「蚕起きて桑を食う」

【七十二候から】22

「蚕起きて桑を食う」

皆様、おはようございます。

今日は「小満」、そして

七十二候の第二十二候「蚕起きて桑を食う 」日。

「小満」は山海草木、日を浴びて輝きを増していく季節です。

蚕が食べる桑の木も緑を増して柔らかい葉が育ち、蚕がそれをお腹いっぱい食べて育つ頃ですね。

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「お蚕さん」を育てていた日本の環境はすっかり変わってしまいましたね。

日本の製糸業は明治時代に殖産興業として発展し、

日本は1900年頃から中国を抜いて世界一の生糸輸出国になったといいます。

1929年の世界恐慌は、日本の一番の生糸輸出国であったアメリカに変化をもたらしました。

アメリカでは日本の生糸を買わなくなり、代わりにナイロンを自国で作り始めたのです。

低価格で大量生産される化学繊維がいつの間にか市場を大きく変えていきました。

日本から「お蚕さん」を育てる環境がどんどん無くなっていきました。

今では絹糸の多くは輸入に頼っていますよね。

本当に、寂しい限りです。

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こんな嬉しいお話があります。

皇居の紅葉山御養蚕所で蚕が育てられている「小石丸」という蚕の糸の太さが

古代の糸に近いことから、正倉院に保存されている織物の復元に使われたということです。

蚕にも、糸の太さにも、いろいろな種類があるのですね。

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蚕は自分の小さな体を使って、美しい絹糸となる繭を紡ぎ出すって、

神秘的ですね。

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皆様、今日もすべては完璧、大成就でありますように。

被災地の皆様の安寧とご無事をお祈りしております。

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写真:日本刺繍家田中京子さんの作品  「帯留」の数々

田中京子さん帯留1