こんにちは。
ひもすがら 日は枯れ草に ねこやなぎ (松村蒼石)
ねこやなぎは、名前のとおり猫の毛のようで、思わず触ってみたくなりますね。
川辺に生える木で、絹糸のような白い毛は銀色に輝いています。
まだ寒さが肌に冷たくても、このふんわりとした柔らかな毛に心がくすぐられます。
今週の2月27日から”和のたしな美塾” 講座をいよいよ始めます。
おかげさまで3月20日も大勢の方にお申込みをいただきました。
4月は4月24日を予定していますので、
ご興味がありましたら、どうぞご参加くださいませ。
私しか語れない、そんなお話もいっぱいあります。
なぜ日本のこころや精神性が素晴らしいか、
なぜ今こそそれが大切か、そう思うのか。
それは私のかかわってきた仕事からきているのかもしれません。
今裁判員制度によって刑事裁判に参加される方も増えていると思いますが、
裁判所なんて、あまりかかわりたくない場所のランキングの上位に入るのではないでしょうか。
そんな中でいわば黒子のように、私は仕事をしてきました。
主に民事裁判です。
刑事事件で刑に服している人に対しての金銭的な損害賠償も民事事件で行います。
静かに法廷で、言葉を聴き、10本の指を使って、
その人の人生の重みを黒いタイプライターに打ち込んできました。
まさに「サイレントマン」と呼ばれるゆえんです。
法廷は公開されているものも多いのですが、やはりそれは部外秘でもあります。
ほとんど人に話すこともなく、
黒子のように、法廷にたたずみ、そこでのやり取りを次に執務室で記録にしていきます。
それが後で重要な「証拠」と呼ばれるものになっていくのです。
その人の人生の過去に起こった出来事をいわば清算する場面が裁判であるとも言えると思います。
人生の縮図、さまざまな人間模様が現れる場でもあります。
まさしく「人生は小説よりも奇なり」です。
いろいろ思い返せば、涙が出てくるような出来事や場面がたくさんありました。
黒澤明監督の『羅生門(らしょうもん)』をご存知でしょうか。
裁判で供述、証言されることは、まさに黒澤明監督の『羅生門(らしょうもん)』のようだと思いました。
検非違使の前で武士が殺害された事件を目撃した人々が証言するわけですが、みな言うことが違うのです。
ただただ、みんな自分に都合のいいことだけを言っている。
みんな、嘘つきだ。
私はそう思っていました。
でも、
もしかしたら、
その人にとってはそれが真実かもしれない。
見方が変わればそれは違う事実になってしまうのかもしれない。
お互いが相手を思いやる気持ちをもっと前面に出していたら・・
誠心誠意を尽くしていたら・・
我や欲を張らずに、もっと優しくしていたら・・
相手を責めることよりも、なぜそうなったかを理解してあげていたら・・
今はそんなふうに思えるようになりました。
人が心で本当に求めているものは、何なのでしょうか。
簡単なようで、大きなテーマです。
今、心のあり方こそが大切だと思っています。
だからこそ、「江戸」に着目したいと思っています。
貧しくても、なんだか豊かに楽しく暮らしていた人々の世界はどんなだったのでしょうか。
ご一緒にわくわく感を味わいませんか。
今日もお読みくださいまして、ありがとうございました。
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