おはようございます。
五月は、陰暦では、皐月(さつき)といいました。
この「さつき」というのは、早苗月(さなえづき)、つまり早苗を植える月の意味で、
古来から言われているようです。
ほかの旧暦の月名が口の端にのぼらなくなっている中で、
「さつき」は現代までも生き続けている言葉といえますね。
「五月晴れ」「五月空」「五月曇り」など、聞いたことがありませんか。
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陰暦五月は梅雨の季節にあたり、
「五月晴れ」は梅雨の合間の晴れ空、あるいは梅雨明けの晴天を指し、
「五月空」は梅雨空を指し、
「五月曇り」は五月雨のころの曇りがちな空のことを指します。
行楽を連想させる現代の「五月晴れ」「五月空」などとは、大分趣きが異なっていたようです。
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さて、五月の異名としては、
おたくさ月
賤男染(しずのおぞめ)月
田草月
橘月
仲夏
授雲(さくも)
啓明
星火
などがあります。
「おたくさ」は「長崎紫陽花(あじさい)」のこと、
「啓明」は明けの明星、金星のこと。
「仲夏」は夏三月の真ん中のこと
です。
ほとんど聞いたことがない言葉ですが、
調べてみれば、なるほどと思えるものがありますね。
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江戸では、朝顔、ヘチマ、茄子、胡瓜などの苗を売り歩く「苗売り」がやってきました。
天秤棒を担いで行商して歩く、のどかな呼び声は初夏の情緒を感じさせるものでした。
現代の下町のように、軒先で鉢植えを楽しんだのでしょうか。
朝顔など花の栽培に庶民は心踊らせていました。
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本日も最後までお読みくださいまして、ありがとうございます。
今日も幸多き一日になりますように。