天と地、神と人をつなぐ天橋立

こんにちは。

   神の世に神の通ひし跡なれや

    雲井につづく天橋立

「天の橋立」は、陸奥の松島、安芸の宮島と並ぶ日本三景の一つです。

現在の京都府宮津市の宮津湾にあります。

『丹後風土記』によると、その昔、天橋立は「天への架け橋」といわれていました。

イザナギが妻となるイザナミに会いたくて、天から梯子をかけて、

イザナミが住むこの地に降りてきたということです。

ある日、イザナギが寝ている間に、その梯子が倒れて、天橋立になったそうです。

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『古事記』では、イザナギ、イザナミの二神が、この天橋立に立って、

混沌としている海を見下ろし、日本の国づくりを始めていったのだそうです。

最初にできた島が、オノゴロ島、次にできた島が淡路島といわれています。

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幾多の伝説を生み、平安期から数多くの文人達がこの地を訪れました。

  大江(おほえ)山 いく野の道の 遠(とほ)ければ

       まだふみもみず 天の橋立

               ー小式部内侍ー

彼女は和泉式部の娘で、一条天皇の中宮彰子(しょうし)に仕えた、才気あふれる女性だったようです。

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                                                         元伊勢籠(この)神社

京都で、友人の中島裕実さんと一泊して、翌日早朝に宮津へ向けて出発。

船に乗って、名勝天橋立を近くに見ながら、

到着したのは、丹後一宮「元伊勢籠(この)神社」。

ここで正式参拝をさせていただき、

その奥の院「眞名井神社」で、神々が出入りをしていたという岩、磐座(いわくら)

を遠くから拝見させていただきました。

その後、瀬戸 龍介さんの眞名井神社ご奉納の「夜明けのコンサート」に参加させていただきました。

素晴らしい倭の心を表現されるミュージシャンです。

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                                                         元伊勢籠(この)神社

丹後一宮「元伊勢籠神社」は、こういわれています。

  伊勢へ詣らば 元伊勢詣れ

     元伊勢 お伊勢の故郷(ふるさと)じゃ

   伊勢の神風 海山越えて

     天橋立 吹き渡る

イザナミは眞名井原(眞名井神社)の磐座(いわくら)に祀られていて、

そこにイザナギが通うために天から大きな梯子を地上に立てて通われました。

その梯子が一夜にして崩れて天橋立になったということです。

天橋立は神と人、男性と女性を結ぶ愛の懸け橋と信じられていました。

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               元伊勢籠(この)神社の奥の院

                 眞名井(まない)神社

人間の心が純粋で素直であった古代には、神と人、天と地上とは互いに往き来できたということです。

人間と動物が違うところは、人間は「祈る」ことができるというところです。

祈りのあるところに神が宿り、人が祈らなくなると、神はそこから住まいを移してしまわれるそうです。

純粋で素朴で素直な心が神に通じる心なのですね。

この磐座(いわくら)のそばにいると、素朴で優しい想いに包まれます。

私たちの祖先は平和を愛し、穏やかに田畑を耕して暮らしていたのだなあと、
しみじみ感じます。

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この歌のように、

ここは、天照大神のお食事を司る豊受大神の故郷であり、

天照大神も一時ここにお住まいの後、

伊勢にお引っ越しになられたとのことです。

ですから、ここはお伊勢のふるさとであり、

日本のこころのふるさとでもあるのですね。

 

本日も最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。

今週もどうぞよろしくお願いいたします。

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青紅葉