江戸時代、西欧の人たちが日本に来て驚いたことがたくさんありました。
日本人の気骨、骨太の精神に感服したこともそうですが、
江戸の町の立派さに驚いたという記述もあります。
今から150年も前に、英国人商人リチャードソンが、父親に宛てた手紙の中で、
日本や江戸のことを書き綴っていました。
その手紙によれば、
「日本はイングランド以外の場所で私が訪れた最高の国です。
山や海のは抜群です。
日本人が他の国との交わりを断ち続けてきたことを考えれば、
江戸という都市の素晴らしさは驚きです。
江戸の官庁街ともいえる界隈は、どの西洋列強にも引けをとらないでしょう。」
この後で大名屋敷のこと、塀や門の立派さも述べられ、
日本に対する親しみの込められた言葉が連ねられています。
リチャードソンは、今の横浜で起きた生麦事件で殺害された人です。
事件の11日前に父親宛の手紙の中でこのようなことを述べていたのです。
この手紙は、ロンドン在住のリチャードソンの姉のひ孫ウェイスの申し出により、
現在では横浜開港資料館で保管されています。
資料館の主任調査研究員は、この手紙によって、それまでの生麦事件とは全く違うイメージが持てるのではないかと語っています。
また、リチャードソンが日本を見下しているという印象はこの手紙からは受けないので、
生麦事件は、外国人と日本人とのしきたりの違いから起こったのであろうと言う人もいます。
もっともっと日本のこと、江戸のことを書き綴ってほしかったですね。
大分秋めいてきましたね。
風邪を引かないように、気を付けてお過ごしください。