扇子の使い方〜日舞と落語〜

おはようございます。

先日の”和のたしな美塾”講座で取り上げた清元『北州』。

2回に分けて行いましたが、

多くの方にご参加いただき、心から感謝しています。

ありがとうございました。

IMG_0639               1回目のご参加の皆様

『北州』は素踊り形式というものをとります。

舞踊家にとって素踊りというのは、大変に難しいものとされています。

素踊りというのは、扮装も大道具も特別に使わない踊りのことで、技量の善し悪しがはっきりと客様に分かってしまうものなのです。

IMG_1637              2回目のご参加の皆様

この『北州』は扇子一本で、武士、花魁、商人、馬子など20人ぐらいの人物を踊り分けていくのです。

扇子一本がいろんな描写に変身していきます。

IMG_0436             格子の中をのぞいている様子

いつかそれもご覧いただきたいと思っています。

IMG_0437               青簾を上げている様子

さて、落語でも、扇子はいろんな表現をする小道具として使われていますね。

舞踊では、その演目に応じてさまざまな扇子を使い分けますが、

落語では、扇子を「高座扇」といって、平手打ちの白扇だけに限られています。

それはなぜかというと、扇子を開いたときに絵や文字があると、そこにお客さんの視線が集まってしまって、効果が薄れてしまうからだそうです。

この扇子がさまざまな小道具に見立てられていることは、ご覧になっていて、お分かりかと思います。これは舞踊とも共通していますね。

閉じたままの扇子は、刀、槍、杖、釣り竿、竹竿、きせる、箸、割り箸、お銚子などになります。

ちょっと開いてきしませると、船の櫓の音になったりします。

少しずつ開くいていくと、手紙になります。

開ききった扇子は大盃になります。

これを飲み干せば、酔っぱらいになりますよね。

IMG_0509            舞踊で芸者衆などの粋な踊りで使う扇子

すべて演者の腕の見せ所です。

いかに臨場感あふれる風情を出すか。

芸の道は一夜にしてならず。

なかなか難しいものです。

見てくださる方が喜んでくださる、楽しんでくださるというのが演者の最高の喜びですね。

本日もお読みくださいまして、ありがとうございました。

楽しい一日をお過ごしくださいませ。

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