秋の風情を感じさせるもの、どんなものが思い浮かびますか。
かつて女性の夜なべ仕事であった「砧(きぬた)」。
その音が秋の夜のあわれさを誘うということで、昔から詩歌などによく詠まれてきました。
砧は、アイロンがない時代に、洗濯した布を生乾きの状態で台にのせ、
たたいて柔らかくしたり、皺をのばすための道具でした。
昔は、夜になるとあちこちの家で砧の音がしたそうです。
日本の家庭では、明治時代、炭を使うアイロンが普及したため、すたれてしまいました。
今では、わらを打ちやわらげたり、紙の原料を作るために使われるだけにまってしまいました。