ー江戸の街は日の出とともに動き出す。
江戸の人々の一日は、朝、東から昇ってくる太陽に手を合わせることから始まり、夕方、西へ沈む太陽に手を合わせて終わります。
「お天道様が見ている」
「お天道様に嘘はつけねえ」
日の出とともに起きて、精一杯一日の活動をしたら、明日の備えて「明日備」を楽しみ、日没とともに寝る、それが江戸の人々の普通の暮らしのリズムだったようです。
田畑の実りも山海の珍味も四季折々の暮らしも「お天道様」のおかげだと思っていました。
日本人は古来より、太陽、山海草木、天候など、森羅万象には神様が宿っていると考えて、人間の力の及ばない偉大な力に対し畏敬の念を持ってきましたから、
太陽を「お天道様」として崇める心も、自然なことだったのでしょう。
太陽に尊敬と感謝を込めて、「お天道様に見られて恥ずかしいことをしてはいけない」と、
自分を律し、戒める、そんな生き方を自然にやってきたのですね。
小さい頃、おばあちゃんから、「ほら、お天道様が見てるよ。悪いことをしちゃいけないよ。」と、そんなことを言われませんでしたか。
さあ、太陽に向かって、「陽に生きる」でいきましょう。