江戸っ子は、「朝飯前」に軽いフットワークで向こう三軒両隣に声をかけて、困った人がいないか様子を見て回って、
朝ご飯の後は、身過ぎ世過ぎ(生活)のための働き、お金を稼ぎました。
昼食が済んだ午後からは、人のため、町のための「はた(傍)を楽にする働き」、ボランティア活動に精を出しました。
夕方は、明日も元気に働くため「明日備」、あそび、リフレッシュをして楽しんだのです。
ボランティアばっかりで、どうやって稼いでいるのと思いますね。
杉浦日向子さんに言わせれば、
「江戸っ子の基本は三無い。持たない、出世しない、悩まない。」だそうです。
肩の力が抜けた生き方ですね。
温もりのある人付き合いに精を出していたことが分かります。
「はたらく(傍楽)」は、周囲(傍)の人を楽にする、楽しくするという意味があると言われています。
その反対語は、周囲(傍・はた)に不快な思いをさせる、迷惑をかける意味の「はた迷惑」だそうです。
西洋的な「働く」という発想から見ると、
「働く(Work)」の反対語は「遊ぶ(Play)」ということだといいます。
もともと労働階級が資産家に時間を拘束されて「働く」という考え方からきているものなのですね。
日本と西洋との「働く」ことの意味合い、こんなにも違うことに気づかされます。
日本の「働く」には、奉仕するという意味合いが含まれていて、苦しいもの、拘束されるという概念はなかったのです。
さあ、肩の力を抜いていきましょう。