「束の間つきあい」という言葉があります。
江戸の人たちは、たまたま渡し船に乗り合わせたり、店先で顔を合わせると、
和やかに軽く挨拶を交わして、束の間の、ちょっとした時間も楽しんだのです。
和やかに軽く挨拶を交わして、束の間の、ちょっとした時間も楽しんだのです。
そこには、「袖振り合うも多生の縁」という考え方があって、
せっかく居合わせたのだから、お互いに一時を大事にしようと、
束の間付き合いも大切にしたのですね。
これは人間関係を円滑にする方法でもあります。
知らない人とたまたま道で袖が触れ合うようなちょっとしたことも、前世からの深い因縁があっての出会い。
人との縁はすべて単なる偶然ではなく、深い因縁によって起こるものだから、どんな出会いも大切にしなければならない。
そういう仏教の教えに基づいているのです。
それは「一期一会」の考え方でもありますね。
現代は、電車に乗ればみんなスマホを見ていて、言葉を交わすこともほとんどない時代。
ラッシュ時に、肩がぶつかろうが、足を踏もうが、「すみません」の言葉も返ってこない時代。
悲しい事件も起こる時代・・・。
いつでもどこでも「一期一会」と思ったら、
江戸の人々が、見知らぬ人と束の間でもお互いに気持ちよく付き合おうと思っていた、
そんな思いが分かるような気がします。
ラッシュ時にそんなことを言ってはいられないかもしれませんが、
思い一つで、
一つ一つの行動や自分にやってくることは、変わってきますね。
素敵に生きましょう!