「陽明学」って、知っていますか?

陽明学って、ご存知ですか。

江戸時代に徳川幕府が採用していた教えは儒教。その経典が「四書五経」。
その中で、子供たちにとって大切なテキストは『論語』でした。
中でも、「仁・義・礼・智・信」が実行すべき徳目だったのです。この儒教の一派、朱子学は、
「人間の運命は生まれつき決まっている」と説いていたので、
統治する側から見れば、都合が良かったのです。さて、ここで「江戸しぐさ」です。
中江藤樹が説いた陽明学の教えを江戸の商人たちは重んじました。「本人の努力次第で、運命は拓ける」と、陽明学は教えたからです。

江戸の商人は、知識を知恵に変えて実践することに重きをおいていましたから、
自由でクリエイティブな発想を好んだのですね。

「四書五経」だってしっかりと咀嚼して、ユーモアを交えて、優しく、易しい言葉で人に伝えることができました。

大家さんが店子に、
「ねえ、熊さん、そんなこと  お言いでないよ〜」

優しく、丁寧に、大家さんから言われた熊さん、

「ああ、そうっすね。そりゃ、 大家さんのいう通りで〜。」
と、素直に従いたくなりますね。

「人間はご先祖様、仏様に見守られて、みな平等に生きている」と考え、
どんな身分の人にも思いやりをもって接するように努めた江戸の人々。

現代は身分制はないですが、
江戸しぐさの核ともいえる「思いやり」というしぐさ、これも大切にしたいですね。

 

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