【七十二候から】38 「寒蝉鳴く(ひぐらし なく)」

【七十二候から】38

「寒蝉鳴く(ひぐらし なく)」

皆様、おはようございます。

先日の台風一過で、朝夕の風にもほんのり秋の風情を感じるようになりました。

都心でも、朝夕窓を開けていると、涼やかな風に生き返る思いがします。

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青空とススキ

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夕暮れのひぐらしの鳴き声や虫の合唱は、夏の終わりを告げているようです。

暑い、暑いと思っていた夏が、夢のように儚く去っていくような、

そんな思いに駆られます。

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蔦と岩

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ひぐらしは、カナカナカナ・・・、カナカナカナ・・・と、

夏の中盤から、

朝夕の比較的涼しく日差しが弱い時に鳴き始めます。

「ひぐらし」とは、日を暮れさせるという意味だとか。

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夕暮れの蝉

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「ひぐらし」は俳句では秋の季語なのですね。

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蝉の一生は、長いようで短いものです。

枯れ枝や樹皮に産み付けられた蝉の卵は翌年の梅雨時に孵化して幼虫になり、

地中にもぐって、3年から7年もかけて、木の根から養分を吸いながら育ちます。

夏の日没後、地上に出てきて木に登り、夜中に羽化します。

天敵から身を守るためなんですね。

生まれたての蝉は翡翠色で、まるで宝石のようです。

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蝉の抜け殻

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蝉としての寿命は数週間から1か月ほどといわれています。

成虫になって、子孫も残し、そして死んでいく・・・。

オスの蝉はメスを射止めるため、懸命に鳴き続けます。

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ひぐらし

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蝉の声が時折騒々しいなと感じられても、

彼らは精一杯の一生をおくっていることを忘れてしまわないように・・・。

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私たちも精一杯、夏の思い出を作りましょうね。

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夏の夕日