寺子屋の入学試験

皆様、おはようございます。

相手を尊重し、相互扶助を大切にした江戸庶民の暮らし。
この普及に大きな役割を果たしたのが寺子屋です。

江戸商人は、日々の商いがあるため、お金を出し合って寺子屋を開きました。

師匠に親代わりになってもらい、江戸の寺子屋で重視したのは、

「読み書き算盤」のほかに、生きる知恵の学習でした。

江戸寺子屋では入学試験がありました。一種のエリート校です。

この入学試験は、6歳の陰暦6月6日(新暦7月)。
合否の決め手は、2時間じっとして師匠(人)の話を聞けるかどうか。

「暑さ我慢会」と言われたそうです。

では、どんな学習を重視したかというと、

自然への感謝を元にした、自然科学(生物学、心理学、天文学、科学など)につながるようなことです。

例えば、朝顔の水遣りから自然のメカニズムや自然との共生を説きました。

そして、日常茶飯事の振る舞いや人を見抜く力、災害時の身の処し方など、

広い視野をもって物事を見ることで、自然や周囲の人々に生かされていることを教えたそうです。

この地球の中での生きとし生けるもの、すべてつながっているという教えですね。

また、教室では、他人の意見を否定せずに自由にアイディアを出し合って考えを深めたり、

設定した役割を演じてコミュニケーション能力を身につけていきました。

現在人材教育法として使われているロール・プレイングなどを、

既にこの教育の中に取り入れていたとは、まさに実践の学問ですね。

いかがですか。

現代人も学びたい魅力満載の教育。

自然への感謝に始まり、生きとし生けるものはみなつながっているという生き方を学び、

相手を尊重するコミュニケーション能力を身につける教育。

これこそ、真の教育ですね。

 

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