今日は炉開きの日で、茶の湯では、風炉から炉のしつらえに替わる日です。
11月初旬の立冬の頃に行われます。
温かいたっぷりとしたお湯が入った鉄釜から湯気がたちます。
お客様に身も心もほんわかと暖かくなっていただけるような、そんなおもてなしです。
静かで、湯気の音だけがする茶室に入ると、身も心もぴりっとしますね。
江戸っ子のセンスのコツの一つは、全体を地味にまとめて、ぴりっと決め色を使うことだったそうです。
全体を華やかに見せる上方とは異なり、赤や紫などの色を袖口や襟にちょっとだけ見せて、地味な中にもピリリとスパイスを利かせました。
お化粧や髪型も着物と同じくシンプルで、飾らないのがよいとされていました。
ですから、江戸娘は、スッピンを自慢したそうです。
白粉(おしろい)をしない素顔にすっと紅をひいて、自分の魅力をアピールしました。
これも、決め色ですね。
もっとも、紅は金と同じぐらい高価なものだったそうです。
質素を旨としていた江戸っ子たち。
娘も一点豪華を取り入れて、楽しんだのですね。
これも江戸の心意気。
よくお化粧をしなくても口紅だけつければよいと、言われてきましたが、
この江戸娘の例にならっていたのかもしれません。
少しずつ寒くなってきましたね。
今日からお仕事でしょうか。