蟄虫戸を坯す(すごもりのむしとをとざす)
Sep 28, 2017
【七十二候から】47 「蟄虫戸を坯す(すごもりのむしとをとざす)」
【七十二候から】47
「蟄虫戸を坯す(すごもりのむしとをとざす)」
皆様、おはようございます。
秋分の中候。
虫が隠れて戸をふさぐ頃。
あんなに暑かった夏から秋へ。
いつの間にか蝉の合唱から虫の合奏へと季節は移り変わりました。
虫の音、なんと耳に心地よいことでしょう。
都会暮らしをしていると、
「虫さん、ああ、よくこんな路地に来てくれたね。いい音色をありがとう。」と、
思わず心の中で虫たちに呼びかけてしまいます。
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暑さがぶり返し蒸し暑い日々が続いたと思っていたら、
気温が急に下がり、秋を肌で感じる頃になってきましたね。
そろそろ虫たちは越冬の準備を始める時期。
もうそんな季節ですか。
だれが教えたわけでもないのに、
自然界では、虫たちがあたたかい土の中で巣ごもりの支度を始めるのですね。
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この虫の音を聴くことができるのも、あともう少しなのですね。
秋の夜長の虫の音、いいものです。
チンチロ、チンチロ、チンチロリン。
リンリンリンリン、リーンリン。
キリキリ、キリキリ。
チョン、チョン、チョン、スイッチョン。
松虫、鈴虫、コオロギにウマオイ。
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日本人は、西洋人と違って、虫の音も音として聞き分けることができます。
それは、西洋人は虫の音を雑音として右脳でとらえるのに対して、
日本人は、虫の声を言語と同様に左脳でキャッチしているからです。
日本人が大自然との調和の中で、人間も自然の一部なのだと捉える生き方は、
この左脳の働きも大きく作用しているのですね。
神は、日本人をそのようにおつくりになったのです。
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今のうちに、しばし、秋の夜長、虫の音を味わってまいりましょう。
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