黄金の国ジパングと虫の声
皆様、おはようございます。
「夜をこめて 麦つく音や きりぎりす」 (正岡子規)
宮城の郷里へ訪れる度に、新幹線から緑一面の水田が見えてくると、
故郷に帰ってきたなあという実感が湧いてきたものでした。
大分稲穂が実ってこうべを垂れ、少しずつ黄金色に変わりつつありますね。
「黄金の国ジパング」「瑞穂の国ジパング」
.
この風景をながめていると、安らかな思いに浸れます。今年も豊作になるといいなあ。
夜は虫の合奏が聴こえてきます。
平安時代、鳴く虫を籠に入れて声を楽しむ風流が貴族たちの間で流行したそうです。
江戸時代になると、「虫売り」が登場しました。
長唄の『都(みやこ)風流』にも、「虫売り」が登場してくるのですよ。
売られていたのは、蛍、こおろぎ、鈴虫、蝉など。
虫籠も、扇形や船形など凝った作りの物が出回りました。
.
また、虫が鳴くなかで俳句を作ったり、酒を酌み交わしたりする「虫聴き」も流行したそうです。
.
.
日本人は音楽や言葉を聞く左脳で虫の声も聴くそうです。
だから、「ああ、いいなあ〜。風流だなあ〜。」と聴けるのですね。
ところが、虫の音を右脳で聞く西洋人には、雑音にしか聞こえないということです。
日本人の感性って、素敵ですね。
.
少しずつ朝夕しのぎやすくなってきました。
今日も心豊かな一日をお過ごしくださいませ。
お知らせ
9月27日(水)午後1:00〜3:30
来年のお正月のおもてなし
吊るし雛にもなるお飾りを作ります。
お待ちしております。
【七十二候から】37 「涼風至る」
【七十二候から】37
「涼風至る(りょうふういたる)」
皆様、おはようございます。
立秋が過ぎたとはいえ、暑さ厳しい日々が続いていますね。
日中は暑いのですが、朝の一陣の涼しい風に秋の気配を感じる頃です。
ご挨拶は、夏の名残り、残暑見舞いとなります。
小さい秋がやってきます。
夏を惜しむ蝉の声から虫の声に次第に替わっていきますね。
.
.
秋きぬと目にはさやかに見えねども
風の音にぞおどろかれぬる
(藤原敏行『古今和歌集』)
.
立秋の日に詠んだ歌だということです。
秋がきたと目にははっきりと見えないけれども、風の音にはっと気づいたと。
平安時代の貴族は繊細な季節の変化に心ときめかせたのですね。
.
.
秋には、鳴く虫を籠に入れてその声を楽しむ風流が貴族たちの間で流行したそうです。
江戸時代になると、秋の風情を楽しむ「虫売り」が登場してきます。
そして、風流人の間では、虫が鳴く中で俳句を作ったり、
酒を酌み交わしたりする「虫聴き」も流行したということです。
日本人ならではの、季節の楽しみ方ですね。
.
「秋隣(あきとなり)」と呼ばれるこの時期。
残暑の中に、ちょっと秋の気配を感じてみませんか。
.