古今集
Sep 12, 2017

【七十二候から】44 「鶺鴒鳴く(せきれい なく)」

【七十二候から】44

「鶺鴒鳴く(せきれいなく)」

皆様、おはようございます。

「白露」の次候。

鶺鴒(せきれい)が鳴き始める頃です。

身近に見かける可愛らしい小鳥。

でも、すばしっこくて、すぐ逃げてしまいますね。

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セキレイ飛び立ち

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尾の長い小鳥、白鶺鴒(はくせきれい)が歩く時、

長くスマートな尾を上下に振りながら地面を叩くようにする仕草を

「石叩き」「岩叩き」「庭叩き」と呼んでいます。

『古今集』では、鶺鴒を「稲負鳥(いなおせどり)」と詠まれているといいます。

これは鶺鴒が鳴く頃に、人が稲を背負って家の中に入るからとか。

稲刈りの時期でもあったのですね。

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木にとまるセキレイ
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『日本書紀』にも登場する鶺鴒です。

なんと、伊邪那岐命(いざなぎのみこと)と伊邪那美命(いざなみのみこと)が結婚したものの,

どうして子を持つか分からずにいたところ、

尾を振る様子からその仕方を教えたのが鶺鴒だったというのです。

そのおかげで、二神は日本国の国生みを遂げることができたということです。

「恋教え鳥」「嫁教え鳥」という異名もあるようです。

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こうしたお話から、鶺鴒は皇室の結婚の儀にも縁が深いとか。

チチィ、チチィと鳴くこの小鳥、日本の国生みでも活躍し、

古の昔より愛されてきたのですね。

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隅田川のセキレイ

 

Aug 15, 2013

夏の夜は まだ宵ながら

皆様、おはようございます。

夏の夜は まだ宵(よひ)ながら 明けぬるを

雲のいづこに 月宿(やど)るらむ

清原深養父(きよはらのふかやぶ) 『古今集』
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P1090196

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夏の夜はとても短いものだ。

まだ夜になったばかりの宵の口だなあと思っていたら、もう明けてしまった。

これだけ明けるのが早いと、

月もとうてい西の山までたどりついて休むことはできないだろう。

今、月は空のどのへんにいるのやら。

雲のどこかに宿をとって、ぐっすり休んでいるのだろうか。
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「枕草子」の作者でもある清少納言の曽祖父が詠んだ歌です。

たった今、夜になったかと思ったらもう明けてしまった。

なんと夏の夜の短いことかと、月が雲にお宿をとったのだろうかと、言っています。

こんな風流な発想はお見事ですね。
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琵琶湖の夕日

夜は暑くて寝苦しいと思うばかりではいけないようですね。

たまには夜、月を見る余裕を持ちたいものです。

今日も輝きが訪れますように。

お元気に、行ってらっしゃ〜い。