たしなみの言葉11「日ごろは何かと」
今日も”和のたしな美塾”から
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常日ごろ、相手の方と交わす言葉を大事にしたいものですね。
日常的に交流がある方に対して、
また、普段しばしばお仕事上で関わる方に対して、
「日ごろは何かとお世話になりまして、ありがとうございます。」
と、大事なお話の前に付け加えると、場が和らぎますね。
よく電話で挨拶代わりにはじめに交わす言葉として
「お世話になります。」と言いますが、
「日ごろは〜」という言葉を入れると、より丁寧に聞こえます。
もう少しかしこまった表現だと、
「日ごろは何かにつけてご厚情を賜り、ありがとうございます。」
となります。いかがですか。
これは手紙にも使える表現ですね。
和みのある美しいやまと言葉を、存分に使いましょう。
たしなみの言葉10「手を携えて」
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「手を携えて、やっていこうよ」
と、助け合って、ともに進もうよと、
仲間同士に呼びかける言葉ですね。
使ったことはありますか。
もともと、
「携える」は、移動するときに荷物などを手に持つことです。
ここに「手を」という言葉が入ると、
二人以上の人が手を取り合って進むという意味になります。
上下関係がなく、ある目標に向かってみんなでやっていく。
同じ夢を持つ人同士が、一人ではできないことをやっていく。
「手」という言葉は、人と人との温もりにあふれた言葉ですね。
ネットでのコミュニケーションが優先される時代だからこそ、
人と人とは直接会って、言葉を交わし、肌の温もりを感じ合う
ことの大切さをこの言葉は示してくれているように思います。
「手を携えて進もうよ。」
互いの温もりから発するエネルギーが大きく世界に広がっていくような感じがしますね。
たしなみの言葉9「遅ればせながら」
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お友達の誕生日がうっかり過ぎてしまったことに気がついて、
「遅れてごめんなさい。お誕生日おめでとうございます。」
なんて、言っていませんか。
そんな時、
「遅ればせながら、お誕生日おめでとうございます。」
と表現してみたら、いかがでしょうか。
「少し遅れてごめんなさい。」という気持ちがじんわりと相手に伝わります。
「遅ればせながら」の元々の意味は、
遅れて馳せ参じるということです。
つまり、大切な場にほかの人よりも遅れて駆けつけるということを意味します。
それが転じて、
きっかりした明確な日時の約束事ではなくて、
曖昧な約束事を少し過ぎてしまったときに使います。
丁寧な謝罪は仰々しいし、
かといって、何も言わないのもおかしい。
そんな時に使えますね。
「遅ればせながら、ありがとうございます。」
「遅ればせながら、ごちそうさまでした。」
柔らかい言葉ですね。相手の方も、気持ちがよくなります。
ぜひ使ってみてくださいね。
たしなみの言葉8「恐れ入ります」
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相手の方に褒められたとき、
「ありがとうございます。」
とよく使いますね。
でも、こんな言葉を使ってみてはいかがでしょうか。
「恐れ入ります。」
「恐縮です。」という言葉もありますが、
これより和らかい響きがありますね。
「恐れ入ります。」は、
相手に対して迷惑をかけて申し訳ないというニュアンスで日常使っているほうが多いですが、
相手の好意や褒め言葉に対してありがたいなあと感謝する思いで、
ぜひ使ってみてください。
「恐れ入ります。」
ほんの少し間をとってからこの言葉に口にすると、
「ありがとうございます。」よりも
和らかな響きの心地よさとともに、その人の品格を感じさせてくれますね。
たしなみの言葉7「しっくりいかない」
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どんなところでも、何が悩みかといえば、
それは人間関係だと思う人がほとんどでしょう。
「どうも、あの人好きになれない。」
「なんか、あの人おかしいよね。」
と、話が合わないとか、親しくなれないとか、
何となく虫が好かないとか、
いろんな印象を相手に持つものです。
別に喧嘩をしているわけではないのでしょうが、
つい人に愚痴をこぼしてしまいますね。
言葉に出すと、なおさら感情も強くなります。
そんなとき、こんな言葉を使ってみてはいかがですか。
「どうもあの人とはしっくりいかない。」
と。
何か感情的なものではなくて、客観的な感じがしませんか。
相手と違和感があったり、ぴたっといかなかたり、
調和がとれなかったりしたとしても、
「しっくり」を使うことで、
相手に歩み寄って、打開策をさがしてみようと、
そんな気持ちになれますよ。
いかがですか。
自分から歩み寄っていこうという思いは、尊いですね。
たしなみの言葉6「誼(よしみ)で」
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「同郷のよしみで、今度県人会の幹事になってくれないか。」
なんて言葉をよく耳にしますね。
「よしみ」は「誼」と書いて、「親しく思う気持ち」も表しますが、
実際には単純に「縁があること」の意味に使われていることが多いようです。
あなたと私は縁がある、知り合いなのだから、
引き受けてほしいという、頼み事に使われています。
「誼(よしみ)」の本来の意味は「親しく思う気持ち」です。
頼み事に使うというより、自分の心情を表す言葉になります。
その思いを込めて、こんなふうに使ってみてはいかがでしょうか。
「誼を結ばせていただて、光栄に思います。」
「おかげさまで、誼を結ばせていただいています。」
と、目上の人と親しく交流している様子を会話の中で使えば、
敬意のこもった上品な表現になり、その方を尊敬している様子も伺えます。
このように、日本語の中には、敬語を使わなくても目上の人を敬う言葉があるのですね。
美しいです。
是非使ってみてくださいね。
たしなみの言葉5「心安い間柄」
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「あの人とは親しい間柄です。」
という親しい関係、遠慮なくなんでも話せる表現として、
「あの人とは心安い間柄です。」
という言い方があります。
「心」という言葉が入ると、
親しみやすく気がおけない、遠慮がない、気心がわかっている、
というように、お互いが打ち解けあっている様子が伝わってきます。
文学作品の中でもこんな風に使われています。
「出迎をした親類や心安い人の中には、」
森鴎外『かのように』
「どっかに心安い安らかな思いのこもった響でその余韻には鋭い皮肉がふくまれて」
宮本百合子『千世子(三)』
「心安い」
「心安い間柄」
柔らかい言葉です。
使ってみてくださいね。
たしなみの言葉4「敷居が高い」
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「とかく日本の古典芸能は敷居が高くて、
能も歌舞伎にも接する機会がないわ。」
ついつい使っていませんか。
「敷居が高い。」
「自分には分不相応だ」「手が届かない」とか「格式が高い」
の意味に使われているのがほとんどです。
この慣用句は誤った使われ方をしている代表格だそうです。
「敷居が高い。」とは、
友人や知人、親戚など、世話になっている方に十分なお礼をしていなかったり、
迷惑をかけたのにお詫びもしていなかったため、
それが心苦しくて家を訪問しづらいという心境のことをいいます。
「敷居」は玄関の戸が乗る台のことです。
以前は楽にまたいでいたのに、今は心に引っかかるものがあって、
敷居が高く感じられるというのです。
最近では敷居がないバリアフリータイプの家が多くなりましたので、「敷居」という言葉も実感がなくなりましたね。
心苦しく思っている相手にばったり出会ったら、
素直に、想いを伝え、謝りましょう。
「敷居が高くて、伺えずにいました。ごめんなさい。」と。
相手の人は、意外に気にしてはいなかったりするものです。
何と言っても、
その言葉を話す自分自身が一番心がスッとするでしょうね。
たしなみの言葉3「心待ちにしています」
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「昨日はお足元の悪い中、お運びくださいまして、
誠にありがとうございました。」
昨日は和のたしな美庵で、お呈茶と「太陰太陽暦」のお話、
ご参加くださった方々からのホットなニュースのシェアなど、
盛りだくさんの楽しい会をいたしました。
ご参加いただいた方に喜んでいただく、
また行きたいわと思っていただく、
なんと難しいことでしょう。
そこに思いを向けることが
まさに「おもてなし」なのですね。
私も日々皆様からいつも学ばせていただいています。
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いろんな講座やイベントを企画して、皆様をお誘いし、
お返事をお待ちするとき、
「お返事を心待ちにしています。」
という表現を使うと、
言葉だけではなく、
あなたの存在を大切にしているのですよ、
是非その場を共有したいのですよ、
と、心から思っていることが、
「心待ち」という言葉に表すことができます。
ビジネスでも、先方のお返事を待つときに、
メールや電話で、
「心待ちにしています。」と、
さりげなく使いたいですね。
言葉の柔らかさが相手の方の心に伝わります。
先方の方もきっとゴーサインをくださることでしょう。
たしなみの言葉2「私事で恐縮ですが」
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親しい友人の間柄であれば、話の途中で
「突然なんですけど、今度結婚することになりました。」
なんて言ってもあまり相手に嫌な感じを与えません。
でも、仕事の場合、
オフィスで話の途中や会議中、喫茶店で商談中など、
話の最中に
「突然ですみません。」
と言うよりも、
「私事で恐縮ですが、」
「私事で申し訳ありませんが、」
と前置きをしてから、
「実は転居しまして」とか
「母が病気で入院することになりまして」
と話すほうが、
相手にビジネスマンとしての立ち位置と自分の胸の内を伝える思いが伝わりますよね。
「私事で恐縮ですが、」
と、即座に大人の言葉が使えるようになりたいですね。