たしなみの言葉21「湯船」
今日も”和のたしな美塾”®から
たしな美人「和の雑学」をお届けいたします。♡
「湯船」
今日もご訪問くださいまして、ありがとうございます。
最近テレビで映画『テルマエ・ロマエ』を放映していましたが、
古代ローマに日本の風呂をつくるという奇想天外な展開が面白いですね。
平たい顔族が湯船につかっている姿はとっても気持ちが良さそうで、見ていてうっとり。
湯上りのイチゴ牛乳も美味しそうだし、マッサージも心地良さそう。
温泉に行きたくなります。
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この映画で日本の文化を改めて見直すきっかけにもなりますね。
お湯にゆっくりとつかって疲れを癒すのは極上の時間です。
怪我や痛みを和らげ健康になれれば、気持ちも穏やかになり、
平和な時が自然に訪れます。
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日本人はお風呂好き。
室町時代にはまだまだ蒸し風呂でした。
江戸時代になり、水が豊富に使えるようになってから浴槽に湯を張る形式ができていきました。
「銭湯」ができました。
「銭湯」のことを「湯屋」といいました。
入浴のことを「湯浴み」といいます。
浴室のことを「湯殿」といいます。
実際に、「銭湯」が普及していない町外れや遠い地域の人のために
湯を積んだ船「湯船」が商いとして巡回していたということです。
「湯船にゆっくりとつかって、汗を流してくださいね。」
「湯船で鼻歌を歌っていましたね。」
あなたは、この「湯船」という言葉を使っていますか。
「バスタブ」「お風呂」「浴槽」などを頻繁に使っていませんか。
「湯船」という言葉にもお風呂好きの日本の歴史が刻まれているように思います。
お湯の入った船に乗って、癒しの国へ行くような、
柔らかい言葉の響きを持っていますね。
頑張っている自分を癒す大事な時間を与えてくれる処です。
忘れかけている「湯船」という魔法の言葉、
是非お使いくださいね。
たしなみの言葉20「振り出し」
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「振出(ふりだし)」という金平糖やあられなど
小粒のお菓子を入れる小型の菓子器があります。
これは茶箱に入れて持ち歩く、コンパクトな携帯用の器で、
とても可愛らしいものです。
「振出」
中に入っているお菓子を振り出して出すことから、そう呼ばれています。
「振り出し」
そういえば、子どものころ、よく双六(すごろく)遊びをしました。
双六のスタート地点は「振り出し」。
どんなに先へ進んでも、「振り出しに戻る」と出れば、
最初に戻らなければいけなかったのが、悔しかったし、がっかりでしたね。
「振り出しに戻る」は、
それまで積み上げてきた合意が崩れたり、努力が実らなかったりして、
初めからやり直すこと
に転じて使われています。
日常でこんなことがありますね。
パソコンで長文を打っていたのに、
バックアップをとっていなかったために消えてしまった。
また振り出しに戻って打ち直さなければいけない・・。
こんな苦い経験をなさったこともあると思います。
それまでかけてきた時間や労力を思えばがっかりすることも多いですね。
でも、思い直して、
それまでの経験は必ずや生きてくるはず。
現代では「リセット」とも言い換えることができるでしょうか。
体もため込んだ疲労をリセット。
心もリセット。
今日も「振り出し」に戻って、
初心に戻ればこそ、
目の前に飛び込んでくる世界が新鮮に見えてくるはずです。
ゼロにした分、得るものも入ってくるものも、大きい、大きい。
きっとそこに気がつくことが今回の学びだったのだと。
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たしなみの言葉19「とりもつ」
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今日は「とりもつ」をお送りします。
前回の「とりなす」と似ているように見えますが、
実は違いがあります。
「とりなす」は、仲違いしている間柄の両者にアクションを起こすことでしたが、
「とりもつ」は、両者の関係性が悪いわけではない場合にも使います。
まだ出会ってない二人を引き合わせたり、
今のところ二人とも関心がないかもしれないけれども、
将来きっとよきパートナーになるだろうと、
よい間柄をつくる橋渡しをすることを指します。
「とりなす」は、仲裁や調停、和解の場合に使いますが、
「とりもつ」は、仲介する場合に用いますね。
どこかの集まりに参加したとき、
きっと二人とも将来お互いにいい関係になりますよと、
和の仕事をなさっている方を紹介されることがあります。
そこで思わぬ出会いをいただき、
その方とのご縁を大切にしていると、
素晴らしく発展していくことがありますね。
逆に、私の講座で出会ったお二人が
いつの間にか互いに交流を深めていらっしゃることも多くあります。
とても嬉しいことです。
それぞれの良さが引き合い、お互いが発展されていくことは、
素晴らしいことです。
人と人とのご縁は、不思議なものです。
「とりもって」くださった方をいつも感謝できる自分でありたいものです。
そして、よいご縁を「とりもつ」
人に喜ばれる愛のキューピットでありたいものですね。
たしなみの言葉18「とりなす」
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父と兄がけんかをして、二人とも、もう二日も口をきいていない時、
「妹が間に入ってとりなした。」
こんなケースは日常茶飯にありますね。
もともと仲が良かった間柄にひびが入りそうになって、
第三者が間に入って仲直りをさせることです。
「とりなし」は
仲裁や調停と同じように、対立している両者の間に入ることですが、
「取り成し」「執り成し」と書きますので、
その場をうまくまとめたり、その関係を良好なものにしようという意図が強いものです。
仲裁、調停、和解は裁判の場でも使われていますね。
「法的なとりなし」が法律の中に組み込まれ、
調停や和解で法的に解決するのは日本独特のものです。
「丸くおさめる」という言葉があるように、
決して対立で終わらせない円満に解決する、ともに手を携えて生きるという
日本の精神性がその根底に流れています。
自然とは決して対立せず、自然も人もすべて一つのものと捉える日本人の脳の働きが
自然にそうさせるのでしょう。
周りで何か不穏な動きが始まっても、
あなたの優しい「とりなし」がきっとその状況を変えます。
素敵な一週間を創っていきましょう。
たしなみの言葉17「目もあやな」
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なかなか普段は使っていない言葉
「目もあやな」です。
「週末のパーティーに、ど派手な赤のワンピースを着ていくわ。」
の「ど派手」に相当する言葉ですね。
「ど派手な演出」「ど派手な宣伝」などと使っていますが、
大和言葉で、より激しく美しい表現が
「目もあやな」です。
「目もあや」の「あや」は「綾」「彩」と、
美しい模様が目に映るようなイメージが浮かんできますが、
実は、この「あや」は、
「怪しい」の「あや」です。
衣装や飾り付けがきらびやかで、
目がチカチカするためにまともに見ることができない。
それほど派手で美しい。
まばゆくて目も開けていられないほどに美しい。
「ど派手」というと、マイナスのイメージもありますが、
「目もあや」は、
目もさめるほどにきらびやかな様を連想させますね。
竹の中から出てきた「目もあやな」かぐや姫を
見つけたときのおじいさんとおばあさんの感動はいかばかりだったか・・・。
かぐや姫の「目もあやな」優しいオーラは
多くの人をとりこにしたのですね。
女性は、そんな「目もあやな」魅力をだれしも持っているのではないでしょうか。
男性は、女性に「目もあやな衣装ですね。」と、褒めてさしあげたら、
ワンランク、株が上がるかもしれませんよ。
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たしなみの言葉16「腕によりをかける」
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「今晩は腕によりをかけてお料理を作るから、是非遊びに来てね。」
と、電話やメールこの言葉を受け取ったら、
心がワクワク浮きたちますね。
ホテルなどの外食でお客様をもてなすことが多くなった昨今ですが、
自宅で手料理でもてなすことが新鮮に響き、
しかも親近感を覚えますね。
お互いが膝を交えて、一層親密に、
しかも温もりの中でともに時間を共有できる
幸せを感じます。
「腕によりをかける」の
「より」とは、「縒ること」「撚ること」です。
数本の糸をねじり合わせて一本の強い糸をつくることです。
この「よりをかける」は、ご馳走を作るときに使うのが大方ですね。
「一生懸命」や「気合を入れる」の意気込みを
「腕によりをかける」と表現するのは、面白いですね。
大事な人のために、
「腕によりをかけて」
お料理をつくりたいものですね。
たしなみの言葉15「お似合いですね」
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時々お会いする方でも、
同じ場所でともに仕事をしている方でも、
全くお話をしたことがないという方がいるものです。
今日こそは自分から一言、何かを切り出してその方と会話をしたい。
そんなことがありますね。
そんな時、
その方の装いを褒めてみたら、いかがでしょうか。
「その色、お似合いですね。」
「春らしい素敵なピンクですね。」
すると、相手の方は、
「あら、派手かしら・・。」
「実は娘からのプレゼントです・・。」
などと、ちょっとてれながらも、笑顔でこたえてくれます。
人々はみな日々装いをします。
話のきっかけに、
心からの自分の言葉で、
相手の装いについて語ったとき、
新しい交流のきっかけが生まれますね。
内気でなかなか自分から切り出せないなあと
思う方も、
思い切って相手に語りかけることで、
コミュニケーションがそこから始まるものです。
「お似合いですね。」
「装い」への言葉、
今日も相手の方に思い切って語りかけてみませんか。
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たしなみの言葉14「紅を差す」
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最近「紅を差す」という言葉をあまり使わなくなりました。
リップスティックを使って「口紅を塗る」「ルージュを塗る」
というのが今では一般的な表現になっていますね。
現在普通に使われている言葉は「口紅を塗る」ですね。
「ペンキを塗る」ごとく、
平面的に均一に仕上げるようなニュアンスがあります。
江戸の時代、紅は高価なものでした。
江戸女性は地味な着物に決め色の赤をどこかに身にまとい、
顔はスッピンに赤い紅を引く。
それがお洒落だったようです。
紅は、自分の指を使って、
しかも普段あまり使わない薬指を「紅差し指」として
使っていました。
紅は「塗る」ものではなくて、
「差す」ものであり、「引く」もの。
紅を差すと、顔が一瞬にして
ぱっと華やかになります。
お化粧をしている本人の心が浮き立つ瞬間です。
合わせ鏡を使って身支度を整えて、紅を差す女性の光景は
ほんのりとした色気をイメージさせてくれますね。
こんな仕草をするのは舞妓さんでしょうか。
お化粧も女性のたしなみ。
「紅を差して」、
今週も明るくスタートしましょう。
たしなみの言葉13「いましがた」
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ちょっと古風な言い方ですが、
「たった今」「ほんの少し前」ということを
「いましがた」
と表現していみたらいかがでしょう。
「いましがた」は「今し方」。
「し」は強調のための助詞で、
「方」は時間的な方向の意味合いから頃、時節のこと、
「今」は、この場合、ごく最近の過去のこと。
「いましがた電話がありました。」
「いましがた戻りました。」
など、メールなどのやりとりの中で使うと、
古風な品の良さや凛々しさなどが
相手に伝わります。
営業から会社に戻ったときに、
「たった今戻りました。」
と言うよりも、
「いましがた戻りました。」
と「いましがた」を使うと、
話している自分自身も、
どことなく背筋がピンと伸びるような感覚になると思います。
「いましがた」
響きがいいですね。
使ってみませんか。
たしなみの言葉12「お心にかけていただき」
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常日ごろ交流がある方に対して、
こんな言葉も素敵な表現ですね。
「日ごろは何かとお心にかけていただき、ありがとうございます。」
相手の方が年上の方だったり、
ビジネスで何かとお世話になっている方だったり、
ご近所の方だったり、などなど、
その方たちにこの言葉を使うと、その場が 和やかな雰囲気に満たされます。
お互いに笑顔で次の言葉やお願い事などもスムーズになりますね。
やはり、言葉は口だけではなくて、
心から真心の言葉を発することで相手の方に通じます。
相手の方に感謝の思いがあれば、
「お心にかけていただき、」
と、さりげなく出てくるでしょう。
大勢の周囲の人たちに支えられて生きていることに感謝を込めて、
広い範囲の知人の方に使える感謝の言葉、
「日ごろは何かとお心にかけていただき、ありがとうございます。」
を、さりげなく使えたら最高ですね。