今日も“和のたしな美塾”®から
たしな美人「和の雑学」をお届けいたします。♡
.
「新しき酒は新しき皮袋に」
新しい思想の内容を表現するには、それにふさわしい形式が必要である。
いつまでも古いものに固執していてはいけない。
これは『新約聖書』マタイ伝からとった言葉です。
古い皮袋に新しい葡萄酒を入れると、どちらも無駄になってしまうというところからきています。
.
これをもじって、外見は古めかしいけれども、
内実は新しいもののことを
「古い皮袋に新しい酒を盛ったよう」と言ったりもします。
人は経験を経てもなお、内面はいつも柔軟でありつづけたいですね。
.
.
☆ちょっと解説
旧約聖書の
Don’t put new wine into old bottles.[Matthew]《新しいぶどう酒を古い革袋へ入れな》
= We can’t put new wine in old bottles.
からとられたものです。
.
聖書には、上のことわざの後に続けて、次の言葉があります。
Else the wine will burst the skins, and the wine perishes and the skins.[Matthew]
《さもなくば葡萄酒は革袋を破りさき、葡萄酒も革袋も無駄になるであろう》
新しい思想や内容を表現するには、それにふさわしい形式が必要である、という意味です。
ですから、「古き皮袋に、新しき酒を」の次に、
「入れるな」を補うと分かりやすくなりますね。
現実には、新しい内容が古い形式に入っている場合や、
また入れなければならない場合が多くありますので、
聖書のことわざをもじって、聖書の精神とは逆の意味で、
「新しい酒を古い革袋に(入れる)」という言葉として、よく使われます。
.