三味線音楽No.6
江戸時代に歌舞伎所作事の地の音楽としての長唄は、その後の舞台上の一つの演奏形式を確立しました。
現代の日本舞踊の舞台形式も同じです。
長唄は舞台正面後方の二段の雛壇の上段で演奏されます。三味線は暗譜で演奏し、歌い手は見台に譜面を乗せて前に置いています。
三味線は「何挺(ちょう)」と数え、歌い手は「何枚」と数え、
「五挺五枚」とか「七挺七枚」というふうに人数をあらわします。
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バレエやオペラなどの洋楽の演奏家が舞台前面下の、
穴のようなオーケストラボックスで演奏されるのとは対照的で、
興味深いです。
さらに舞台にはお囃子が加わり、
舞台の三味線の一段下で演奏する出囃子と舞台の下手(客席から見て左)の陰の黒御簾の中で演奏する陰囃子とがあり、
「下座音楽」とも言われています。
是非、歌舞伎や日本舞踊の舞台をご覧になるときは、演奏家にも注目してみてください。(つづく)