三味線音楽No.4
江戸時代、新参楽器の三味線はあっという間に庶民の心をとらえて、様々な種類に発展していきました。
それは歌詞の内容や節回しなど、その歌い方や語り方に差異が生じていっただけではなく、
三味線という楽器そのものにも細かい工夫が凝らされていきました。
つまり、音楽の種類の多様化とともに、その音色にも変化を求めて、
その曲種にふさわしい微妙な味わいを出していきました。
これは洋楽の楽器とは全く違うところです。
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同じ楽器でどの種目も演奏される洋楽器とは異なり、
三味線は楽器の大きさも棹の太さも、皮の張り具合、糸の太さ、駒の形、撥の大きさや厚さも
みんなそれぞれの種目で違うため、音色もすべて微妙に異なります。
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一般的に三味線は、棹の太さによって、「太棹」「中棹」「細棹」の三種に区分します。
「細棹」は、長唄、江戸の端唄や小唄、河東節、荻江節などに用います。
「中棹」は、上方舞の伴奏としての地歌や常磐津節、清元節などに用います。
「太棹」は、義太夫節の三味線で、お腹にデンデンと響く、太くて力強い音色を奏でます。
京舞の地として祇園の綺麗どころが演奏する京三味線は、
「細棹」よりも更に細い棹の三味線で、撥も、琵琶法師が使っていたような、小さくて独特のものです。(つづく)