日の出とともに起きて、太陽に向かって柏手を打ってお天道様を拝していた日本人の姿に、
外国の人はだれしも心を打たれ、畏敬の念をもったということです。
天地自然の中で生かされていることを先人たちはよく知っていました。
江戸の社会は現代人から見れば、見事な循環型社会だったといわれています。
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街灯がない時代、満月の明かりで用事を済ませることができて、ありがたい。
お米も作物もみんなお天道様のおかげで、ありがたい。
食する魚や肉も、その命をいただいて、ありがたい。
そういうことを特に意識もせずに分かって暮らしていたのですね。
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いろいろ学んでみると、それは日本人の言語や自然に対する脳の使い方に大きな要因があることが見えてきます。
子音が母音とセットになって左脳でキャッチされるようにできている日本人の脳。
それと同時に自然の中の音もすべて左脳でキャッチされていきます。
聞いたものを、今度は右脳でイメージを膨らませたり、豊かな感性に引き上げていきます。
わび、さびを感じることができるのは、日本人の脳のなせる技なのです。
西洋では、母音や自然の音を右脳でキャッチするため、ノイズとしてしか認識されないところが日本人との大きな違いです。
江戸時代に生まれた楽器、三味線も日本人ならではの感性から生まれたものです。
様々な三味線、ジャンル、音色が誕生しました。
雨の音、水の音、川の流れ、虫の音など、なんと微妙に多彩な表現ができることか。
西洋と大きく異なるところです。
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11月21日(金)午後7時~9時
場所:東京都中央区佃島コーシャタワー37階 なずな塾会場
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大和楽『河』という曲を通して、隅田川の水音、河の流れ、雨音など、
三味線でどのように表現しているか、
そんなところも耳、体で感じていただきたいと思っています。
現代人が失いかけている繊細な感性。
日々の煩雑な移ろいの中で見失っていく自信。
この微妙な感性を取り戻していくことで、自己を取り戻し、日本人として生まれて
きたことへの喜びにつながるものと思います。
そのきっかけになればと願っています。