新歌舞伎座がオープンして

東京の歌舞伎座が、今年の四月、こけら落とし公演をしました。

新しい劇場がオープンし、新しい歌舞伎の幕開けですね。

歌舞伎の三大名作は、

「仮名手本忠臣蔵」「菅原伝授手習鑑」「義経千本桜」といわれています。

その理由として、

一つ目は、三本とも日本の歴史の中で著名な、日本人にとって忘れがたい悲劇の英雄たちを扱っていることです。

「忠臣蔵」の大石内蔵助 (劇中では大星由良之助) 、

「菅原」の菅原道真、

「千本桜」の源義経です。

二つ目は、戯曲として非常に高い完成度を持っていることです。

(歌舞伎でも人形浄瑠璃でもそうです。)

三つ目は、様式性が強く伝承しやすい義太夫狂言だったということです。

つまり、「義太夫狂言」という義太夫節による人形劇として書かれた戯曲を、歌舞伎に取り入れて役者が歌舞伎として上演するので、「型物」として伝承しやすかったのです。

この「三大名作」は「時代物」と呼ばれます。

歴史をベースにして、作者の大胆な創作による歴史のパロディ劇でもあり、

それぞれ壮大なスケールで展開されるドラマです。

そこには、江戸時代につくられた日本人の感覚、精神性も見え隠れします。

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今年のNHKの大河ドラマは新しい時代を切り開く女性新島八重の物語を描いていますね。

なかなか魅力的な女性ですが、この「三大名作」に日本人の原風景を探しにいってみたいと思います。

皆様、どうぞよろしくお願いいたします。