新歌舞伎座〜こけら落とし公演〜

新歌舞伎座のこけら落とし公演を振り返って
今年4月の東京歌舞伎座のこけら落とし公演は大盛況でしたね。
中村勘三郎、市川團十郎という人気スターを失った歌舞伎界にとっても、新歌舞伎座興行にかける意気込みは相当なものだったと思います。現在の歌舞伎界を代表する俳優陣が得意の演目を熱演しました。その舞台裏を密着したのが、NHKスペシャル「新生 歌舞伎座 檜舞台にかける男たち」でした。

杮葺落四月大歌舞伎


第一部

新歌舞伎座開場を祝う舞踊「鶴寿千歳」鶴の坂田藤十郎。
十八世中村勘三郎追悼の清元舞踊「お祭り」鳶頭の坂東三津五郎。
重厚さの中に世の無常を感じさせる義太夫狂言「熊谷陣屋(くまがいじや)」熊谷直実の中村吉右衛門。

第二部

河竹黙阿弥の七五調の名台詞が心地よい「弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ)」弁天小僧菊之助の尾上菊五郎。
耽美な常磐津舞踊劇「将門」滝夜叉姫の坂東玉三郎。第三部
兄弟親子の争いの悲情さ、哀しさを描いた時代物「盛綱陣屋(もりつなじんや)」佐々木盛綱の片岡仁左衛門。
歌舞伎十八番の内 「勧進帳(かんじんちょう)」武蔵坊弁慶の松本幸四郎。日本が世界に誇る伝統芸能、歌舞伎。新歌舞伎座の誕生にあたって、第四期歌舞伎座のデザインを継承して、建築家隈研吾が小屋を手掛け、

舞台照明、音響などのプロたちが最高の演出に苦心し、

緞帳4枚のうち画家上村淳之作「水辺の四季」の緞帳が幕開け直前に舞台を飾り、

まさに舞台とは演じる役者だけではなく、

大勢のスタッフの渾身の力作であることを改めて知ることができました。

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歌舞伎は能や狂言から多くの題材を取り入れています。

その上、江戸時代につくられた日本人の感覚、精神性が見え隠れしていて興味深いですね。
歌舞伎、楽しんでまいりしょう。