おもてなしの心と「無事是貴人」

昨日もFacebookにたくさんのいいね と病院のおもてなしの心のあり方をいろいろお話いただきまして、ありがとうございました。

 

本当に私も勉強になります。

多くのことを教えていただきまして、心からありがとうございます。

 

昨日の茶の湯のお稽古で、師匠が掲げていた掛軸は「無事」という言葉でした。

今年も平穏無事に過ごせたことへの感謝の意を表す言葉なのかしらと思っていました。

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多分これは、「無事是貴人(ぶじこれきにん)」という禅語からきているのだと思います。

 

 

臨済禅師が説いた言葉。

「無事是れ貴人。ただ造作することなかれ、ただ是れ平常なり」

 

「無事」とは「無為」のこと。

つまり何の造作をすることでも手を加えることでもなく、一切のはからいをしないこと。

平常心で行いなさいということです。

 

わび茶の茶会を催す亭主が無理な演出をして相手におおっと思わせたり驚嘆させたり、また、茶会に呼ばれた客人が亭主の心に迎合したり取り入ったりしないようにしなさいということです。

 

双方が相手を尊重し合い謙遜の心をもって、日々心を磨き技を磨き、いよいよ茶室という一期一会の空間をともにするときには、磨き合った両者がそこで平常心で向き合うということでしょうか。

とても高い境地のことを言っているようです。

 

 

病院は、身も心も折れそうな人が行くところですものね。

スタッフの皆さんの優しさや笑顔は天使のように見えます。

無償の愛のような心遣いに救われます。

さりげない日常の中に、常日頃の思いが醸し出されるものです。

このような病院はお手本になりますよね。
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本来のおもてなしの心は、この臨済禅師が説くように、

殊更わざとらしく演出するのではなく、自然体でありながら、そこには相手を思う深い尊敬と優しさや謙遜が込められている、それがじわっとにじみ出てくるものなのかもしれませんね。