【七十二候から】39 「蒙霧升降す(のうむ しょうこうす)」

【七十二候から】39

「蒙霧升降す(のうむ  しょうこうす)」

皆様、おはようございます。

台風一過の後、

またもや強い雨が降り、外出には支障が出たことでしょう。

でも、大地や植物には十二分に水分が行き渡りましたもの、

今年の水不足も心配せずにすむことを祈っています。

さて、

この時期は深い霧が立ち込める頃。

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山頂・濃霧

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春は霞立ち、秋は霧けぶる。

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平安時代から、春は「霞」、秋は「霧」と、使い分けるようになったということです。

どちらも視界が閉ざされて遠くの景色が良く見えない状態のことをいいますね。

「霞」は気象用語としては用いられず、文学的な意味合いでの表現として使われています。

「霧」は、気象現象としては、視界1キロ未満のものが見える状態のことを指し、

1キロ以上10キロぐらいまで見える現象を「靄(もや)」と呼んでいます。

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樹林・霧

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「霞」は春の季語として、「霞たなびく」。

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夕暮れ・雲

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澄んだ秋の月に対して、春の夜の月は「朧月」といいます。

「朧月夜」。

これもまた風流ですね。
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朧月

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「霧」は秋の季語として、「霧雨(きりあめ・きりさめ)」「初秋(はつあき)霧」「夜霧」など。

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霧と樹林

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澄んだ秋の月、夜ぼんやり眺めながら、

ちょっと歌人になったつもりで、歌を詠んでみてはいかがでしょうか。

明日は満月を、来月は中秋の名月と十六夜を楽しむことができますね。

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山間部、海辺など運転の際は、霧で視界が狭くなりますので、

どうぞ十分にお気をつけくださいね。
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霧の竹田城