「秋茄子は嫁に食わすな」という諺がありますね。
これはいろいろな説があるそうです。
この背後には、嫁と姑のある意味で二人の仲の永遠の課題が潜んでいるのでしょうね。
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秋茄子が美味しい季節。
秋茄子は、実がしまって美味しいとされていますね。
日本の四季の中で育まれる産物は、季節の巡りの中で味も実も変化させていきます。
走りや旬だけが美味とは限りません。
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初物買いにこだわった江戸時代。
江戸っ子は女房を質に入れてまでも食べたいと、
「初鰹」への熱狂ぶりには目を見張るものがあります。
実際の美味しさと言えば、立夏の頃よりも脂がのって美味しいのは、
「戻り鰹」と呼ばれる秋です。
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さて、秋茄子。その美味しい秋茄子を嫁に食わすな。
美味しいから、嫁なんぞに食わせたくないのか。
いや、これは体を冷やす。
秋茄子には種が少ない。子種がなくなるから、縁起が悪い。
だから、子孫繁栄のためにも嫁の身体をいたわって大事にせよ。
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小林一茶も、その論議に加わって、
「月さすや 嫁に食わすな大茄子(なすび)」と詠む。
巷では、嫁に秋茄子を食わすなと言ってるが、
秋茄子は実に美味しいから、体を冷やさぬように食べ過ぎには注意せよ。
一茶がこの歌を詠んだのは、万人に対するいたわりの思いだったのだろうと、
私は解釈したいのですが、いかがでしょうか。
嫁と姑の仲については、賛否両論でしょうか・・。
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