江戸商人がお金を出し合って作った寺子屋。
そこでは、「読み書き算盤」のほかに、「しぐさ」の学習を重視したのです。
親に代わって寺子屋の師匠が子供たちに教育しました。
年齢は40歳以上の男女。実学上、バランス感覚のいい年齢を選んだそうです。
師匠が入門してきた子供たちに最初に挨拶する言葉は、
「あなた方のお父さん、お母さん、皆さん立派な方々である。
そして、商いが繁盛して結構でござる。
そのためにご多用で、貴公らに読み書き算盤をお教えになれない。
よってもって拙者がその役をおおせつかった。
だから、貴公の親御さんに接するつもりで、拙者にも接しよ」と。
親が教えるべきところを代理人として教えるのだから、師匠は親と同じように「やっぱり偉いんだなあ」という認識が芽生えたというのです。
今の学校の先生は父母に気を遣い、入学式では、
「今日から皆さんはピカピカの一年生ですから、一生懸命に勉強して、偉い人になってください」としか言わないようです。いかがですか。
親も子も、教育に取り組む姿勢には今とは大きな違いがあったのですね。
江戸の人々の考え方、大いに参考になりますね。