「炉開き」と江戸娘の決め色

今日は炉開きの日で、茶の湯では、風炉から炉のしつらえに替わる日です。

11月初旬の立冬の頃に行われます。

温かいたっぷりとしたお湯が入った鉄釜から湯気がたちます。

お客様に身も心もほんわかと暖かくなっていただけるような、そんなおもてなしです。

 

静かで、湯気の音だけがする茶室に入ると、身も心もぴりっとしますね。

 

 

江戸っ子のセンスのコツの一つは、全体を地味にまとめて、ぴりっと決め色を使うことだったそうです。

全体を華やかに見せる上方とは異なり、赤や紫などの色を袖口や襟にちょっとだけ見せて、地味な中にもピリリとスパイスを利かせました。

2013-11-05 09.05.40
お化粧や髪型も着物と同じくシンプルで、飾らないのがよいとされていました。

 

ですから、江戸娘は、スッピンを自慢したそうです。

 

白粉(おしろい)をしない素顔にすっと紅をひいて、自分の魅力をアピールしました。

これも、決め色ですね。

もっとも、紅は金と同じぐらい高価なものだったそうです。

 

質素を旨としていた江戸っ子たち。

娘も一点豪華を取り入れて、楽しんだのですね。

これも江戸の心意気。

 

よくお化粧をしなくても口紅だけつければよいと、言われてきましたが、

この江戸娘の例にならっていたのかもしれません。

 

 

少しずつ寒くなってきましたね。

今日からお仕事でしょうか。