蝶の戯れ・・。
日本では、虫や蝶をあの世に旅立った人の化身と考えることもありますよね。
それが芸術にまで高められていきます。
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日本版「ロミオとジュリエット」と言われる歌舞伎舞『蝶の道行』。
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二匹の蝶は助国と小巻の化身。
恋人同士であった二人は、北畠家のお家騒動の中で両家が巻き込まれ、
身代わりとなって首を打たれて死んでしまいます。
その二人の首から雌蝶・雄蝶が飛び立って、
もつれ合いつつ花園の上を飛んでゆきます。
蝶たちはやがて助国・小巻の姿となり、美しい花々が一面に咲き乱れる大和の野辺
で、現世で結ばれなかった二人が二人の出会いや思いのたけを語り合うのです。
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「世の中は夢か現か ありてなき蝶となりしが」と置きが唄います。
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後半は、二人とも蝶に化身して狂い、
「修羅の迎えはたちまちに」と、地獄の業火に焼かれる責め場となります。
最後には、「夢に見る草の露」で、二人は静かに重なり合い息絶えていき、
幕となります。
幻想的で、哀しくも美しい舞台です。
義太夫という語りがなお一層切なさを醸し出します。
日本では、「間を合わせる」という言葉がありますね。
舞台は、踊り手と演奏家との息がピッタリ合って、
その心が伝わってきた時、見る側もその外観の美しさだけではなく、
心に響くものを感じるものですね。
演じ手と観客との一体感。それが舞台を楽しむ素晴らしさだと思います。
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10月にも行います。
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